北朝鮮のコロナ対策がムチャクチャすぎる件
社会・2022-05-16 18:00これまで新型コロナ感染者ゼロを発表していた北朝鮮が、「4月末から発熱者が急増し、累計で121万3550人に達した」と公表した。死亡者も出ているようだが、北朝鮮メディアによると、薬を誤って服用したことによる死者が、多くの割合を占めているという。一体どんな薬を飲ませているのやら。
そもそも、これまでも北朝鮮の新型コロナ対策はムチャクチャであった。北朝鮮は国境を封鎖し、海外からの食料支援もコロナ流入を恐れて拒否したこともある。
どういうわけか「ウイルスは海から上陸する」と政府が判断し、出漁を禁止した。ただでさえ物資も食料も不足している上にこの政策である。さらに多くの人民が飢えに苦しんだと思われる。
そしてこれもどういうわけか、国際社会からのワクチン提供も拒否してきた。
さらに今回の感染予防対策が、前にも増してムチャクチャなのだ。「水は沸騰させてから飲むように」という指示があったという。
どうも北朝鮮政府は、「ウイルスは海からやってくるので出漁禁止」と同じく、「水」から感染が広がると考えているようだ。他の雑菌等ならいざしらず新型コロナウイルスは、飛沫や接触で感染するもので、飲料水で感染したという例はない。もちろん海や魚から感染したという例もない。
さらに狂気の沙汰とも思えるのが、北朝鮮全土でロックダウンの指示を出したというものだ。ただでさえ食料不足の北朝鮮で、政府からの食料の配給があるかはあやしい。
今回の発表以前、すでに40%が栄養不足にある人民にとって怖いのはコロナよりも餓死である。
こういう“あほらしい”とも思える感染対策を決定できるのは、北朝鮮でただ一人だ。日本でも「26~27度のお湯でウイルスは死ぬ」とか「ワクチンを打つと体に磁石がくっつく」とかいうデマを信じる人がいたが、金正恩も、反ワクチンやそのレベルのデマを信じているのかもしれない。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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