【コロナ禍】この災いから何を学び後世に何を伝えられるのか?
社会・2020-12-14 12:37一年前、世界のほとんどの人が、まさか未知のウィルスで150万人以上の人が亡くなるなど想像だにしなかっただろう。
どんな人も未来のことはわからない。わからないから学べないということはなく、教材は過去にある。2011年、日本は未曽有の大災害が関東東北地方を襲った。東日本大震災である。それから10年近くたつが、あの震災後、多くの人は災害に対するいろいろな備えを行ったと思う。
例えば、東日本大震災の直後、全国的にトイレットペーパーが不足した。もしそのときのことから学び、トイレットペーパーを備蓄していた人は、コロナ禍がはじまった後に起きたトイレットペーパー不足のときに慌てなくてすんだはずだ。
(すみません。偉そうに書いておきながら、筆者は備蓄しておりませんでした。反省!)
また、東日本大震災のときも、実に様々にデマや噂が流れ、人々を振り回したが、大災害のときはデマやおかしな噂が流れることを学習した人は、コロナ禍におけるデマにも耐性ができていたかもしれない。
人類は有史以来何度もひどい疫病に苦しめられてきた。ここから学ぶことは何か?
それは「パンデミックは必ず収束する」ということである。
アウシュビッツの強制収容所に入れられたフランクルの『夜と霧』という本からも学ぶべきところが多い。
いつガス室に送られるのかわからない究極の不安の中、囚人たちの間ではクリスマスに解放されるとのウワサが広まった。しかしクリスマスが来ても解放はなかった。目先の希望を持っていた人はバタバタと死んだという。
ここから学べるのは、安易な希望的観測に心をゆだねてはならないということだ。
我々はいま、歴史に残る災害の真っただ中にいる。我々はこの災害からどのようなことを学び、後世に伝えられるのだろうか?
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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