北朝鮮が東京五輪不参加の本当の理由
社会・2021-04-07 11:33北朝鮮が「新型コロナから選手たちを守るため」という理由で、東京五輪の不参加を決定した。これはあくまで表向きの理由で、実際の理由は別にある。
まず、一つの理由としてひっ迫している経済問題だ。ただでさえ豊かではない北朝鮮だが、昨年1月22日、新型コロナが話題になると、他の国よりも早く外国人の入国を全面的に禁止し、中国との国境も封鎖した。2月の初めには中国・ロシアをつながっている国際列車の運行を中止。国際便の発着も中止にした。事実上の鎖国状態である。
これまでも食料不足は深刻だったが、国境封鎖で中国からの穀物などの支援物資を輸入できなくなってしまった。これまで盛んにおこなわれていた密輸も激減だという。また水害で北朝鮮の主食ともいえるトウモロコシや、キムチの材料である白菜も凶作となってしまった。北朝鮮では人民軍兵士にまで飢えが広がっている。
また昨年12月に、「反動思想文化排撃法」が採択された。これは敵対国である韓国や欧米の思想や、Kポップ、韓流ドラマなどのエンタメの流入を防ぐための思想統制法だが、これが厳しい。
韓国の映画や録画物、本、歌など見たり保管した者は「5年以上15年以下の労働刑」となり「コンテンツを流入して広めたりすると、無期懲役や死刑に処す」となっている。韓流ドラマを密輸したりダビングしたりするだけで、死刑になりかねないのだ。
そんな中、オリンピックの選手団数百人が東京来ると、敵対国の文化に触れてしまうことになる。すでに北朝鮮には、自由主義文化が流入しており、韓国や欧米文化に憧れる人が増えているという。金正恩はそんな人たちがクーデターや革命が起こることを、異常なくらい恐れているのだ。
五輪となると、各国の要人が集まる外交の舞台だが、現在北朝鮮政府は日米韓との対話を拒否しているので、そんな場所には行きたくない。北朝鮮はいま五輪どころではないのだ。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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