中国は絶対チベット・新彊ウィグル自治区を手放さない
社会・2020-11-11 11:21次の覇権国を狙う中国だが、欧米ではチベット・新彊ウィグル自治区の人権問題が取りざたされている。
チベット・新彊ウィグル自治区は、ミャンマー、インド、パキスタン、ネパール、アフガニスタン、タジキスタン、キルギス、カザフスタン、モンゴルと、多くの国と隣接しており、中国にとって、西洋への出入り口でもあるのだ。
チベット・新彊ウィグル両自治区は、中国の9割を占める漢民族ではない。それぞれチベット民族、ウィグル族と違った民族であり、これまで何度も独立運動をしてきたが、中国にそのたびに虐殺されるなど、力ずくで抑えられてきた。
中国がどうしてもチベット・新彊ウィグル自治区手放さないのは、一つに中国には他にも少数民族がいて、もしチベット自治区、もしくは新彊ウィグル自治区の独立を許せば、かつてソ連崩壊のときと同じく、あらゆる民族自治区で独立紛争が起こるかも知れないということもある。
また、チベット・新彊ウィグル自治区は地下資源の宝庫なのだ。ウィグル地区にはパイプラインが通っており、遠くカスピ海から燃料を運んでいる。ウィグルから出る天然ガスははるか上海にまで運ばれており、もしウィグル族が反乱を起こし、パイプラインをストップしたら、たちまち燃料不足で中国の都市機能は失われてしまう。
チベットはアジアの大水源地で、チベットを源流としている川は、インダス川、ガンジス川、メコン川、長江、黄河などなど。アジア10か国以上、世界人口の3分の1とも言われる人々の命の水が、チベットから流れ出ている。
もし中国がチベット独立を許せば、莫大な水利権を失うことになり、中国自身の国家体制は崩れ去ってしまう可能性が大きい。
これらの事情から、欧米諸国がいかに人権問題で中国を責めようとも、中国は決してチベット・新彊ウィグル自治区手放せないのだ。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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