感染者激減はウイルスのコピーエラーか?
社会・2021-10-07 18:39夏に急増した新型コロナウイルスだが、8月末あたりをピークに急減している。過去1年半の経験から、この疫病は約4カ月ごとにピークを迎えるという増減を繰り返しているが、今回のデルタ株はこれまでにない勢いで、急激に陽性者を増やした。そして9月中に急激に陽性者が減ったのだが、専門家もまだ急減の理由や原因については、よくわかっていないらしい。
一説によると、この急減はウイルス変異のコピーエラーが原因ではないかという学者もいる。ノーベル化学賞受賞者のマンフレート・アイゲン博士が1971年に提唱した「エラーカタストロフの限界」によると、増殖(感染力)の速いウイルスは、遺伝子のコピーミスも増え、そのウイルスに必要な遺伝子も壊してしまい自壊するというのだが、今回の急増と急減は、これに当たるのではないかというのだ。
また陽性者の急減は、ウイルス遺伝子のエラーによる自壊以外にも、お盆あたりに夜の繁華街へ遊びに行く若者が減ったからだという説もある。その頃は今以上にワクチン接種をしていない若者が多く、実際そういったワクチン接種をしていない若者たちは夜の繁華街へ行くのを自粛していたというデータがあるのだ。
このウイルスは、若者が感染し他の世代に移していくのが特徴で、若者の自粛が効いたのではないかというのだ。現在では東京都の場合、20代30代の約半数が2回目のワクチン接種を済ませており、緊急事態宣言が解けたいま、これからの事情は、また変わってくることだろう。
東洋経済オンラインのデータによると、全国の実行再生産数は0.63と横ばい状態がここ半月ほど続いている。前述したが、過去の例からいうと4カ月ごとにピークを迎えてきたわけだから、またこれから年末年始にかけて感染者が増えるかもしれない。安心しきるのはまだ早そうだ。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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