政党は支持なし層を動かせ！

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NHKによると、現在の政党支持率は自民党35.6％、立憲民主党4.5％となっている。それに対して、特に支持している政党はない人が40.1％。もっとも多いのが支持なし層であり、支持なし層を動かした党が政権をつかむことができるといっていい。

実際、2009年に民主党が政権を取れたのは、安倍、福田、麻生と続いた自民党政権への失望から「自民党にお灸を」「民主党が一度やらせてくれといっているので」と、支持なし層という山が動いたためだ。

そして自民党政権が復活したのは、鳩山、菅、野田と続いた民主党政権の失望から、支持なし層という山が動き、第二次安倍内閣が発足した。その後、安倍内閣は憲政史上最長の第四次内閣まで続くが、これも支持なし層が支えていたからである。

安倍内閣一強時代、野党支持者は盛んに「アベでなければ誰でもいい」「みんなアベのせいだ」とネットに発信していたが、支持なし層は、冷ややかな目でそれを見ていた。「文句ばかりいいの？　ホントにアベ以外なら誰でもいいの？　キミたちは何がしたいの？」と……

さらに野党第一党の立憲民主に関して言えば、民主党政権時代の悪いイメージがあまりにも強く残っているのと、原発再稼働、TPP参加、消費税引き上げを決めたのも旧民主党政権。民主党時代に政権担当能力の低さを現わしたうえ、政策も自民党と大差ないとすれば、支持なし層がどう考えるかは想像に難くない。

だが自民党が安泰かというと、決してそんなことはなく、地方選では苦戦や惨敗が続いている。これも自民党岩盤層以外の支持なし層が「自民党にお灸を」と、動いたせいだ。

自民党もだが、特に立憲民主党は、現在自分たちの支持層へのアピールしかしておらず、支持なし層へのアピールが薄いように思える。

今年は衆院選がある。支持なし層の人気を集めた政党が伸びることに間違いないのだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008～2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。