立民の侮辱罪厳罰化反対の意味がわからない

社会・2022-05-06 18:26
立民の侮辱罪厳罰化反対の意味がわからない
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最近の立憲民主党がどうにも変なのだ。

菅直人元首相の「橋下徹氏・維新はヒトラー」発言。
衆院選における共産党との共闘。
中学生を性被害から守るための法改正を議論中、立民議員の「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まるのはおかしい」という発言などなど、数え上げればきりがない。

先日もあるネット番組で、立民・泉代表が「核は事実上使えない兵器だから不要」「核は抑止にもならない時代遅れのもの」と発言している。全世界がロシアの核使用についてピリピリしているときに、なんとも間の抜けた発言だ。

今回は昔から被害者の多くが泣き寝入りすることが多かったネット等の「侮辱罪厳罰化」の審議中、立憲民主党の藤岡隆雄議員が「言論弾圧につながりかねない」と、イチャモンをつけてきた。

その立民議員は、いまなぜ侮辱罪厳罰化が審議されているのかご存じなのだろうか? わずか22歳という若さの女子プロレスラーがネットやSNSの誹謗中傷のため、自ら命を絶ったことにある。

それ以外にも、そのレスラーの母親を中傷した者を、侮辱容疑で書類送検。
池袋暴走事故遺族にSNSで遺族誹謗中傷を繰り返した男を書類送検。
「常磐自動車道あおり運転事件」では、暴力をふるう男の後ろからガラケーをもって撮影している女の動画が、ニュースで繰り返し報道され、その女と間違えられた女性に、誹謗中傷が集中するという事件。
山梨のキャンプ場で行方不明になった母親へ、SNSで脅迫し有罪になった男もいた。

いまこういった事件が続発している。しかしこれらはほんの氷山の一角、SNS全盛のいま、はるかに多くの人が、誹謗中傷や侮辱に苦しみ、自殺や失業に追い込まれる人も多い。これを少しでも抑制しようというのが『侮辱罪厳罰化』だ。

これに対して立民の議員さんは、トンチンカンな「何でも反対論」をやっているようにしか見えない。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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