政治家も国民は緊急事態とは思っていないのでは?

社会・2021-04-23 18:25
政治家も国民は緊急事態とは思っていないのでは?
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3回目の緊急事態宣言が出る。目的は人流を止めるためだという。人流をとめるために、クラスターが出ていない映画館やデパートなどにも休業要請するというのだ。政府は国民が人流、つまり出歩いている意味がわかっているのだろうか?

それはもはや、国民の多くが新型コロナウィルスを怖がっておらず、緊急事態だとも思っていないということだ。これまでの日本における感染者合計数は55万人。日本人口1億2千600万人いる中での55万人なので、多くの人は友達とこんな会話をしていることだと思う。
「ねえ、知り合いにコロナ患者出た?」「出てないね」「知り合いの会社で出たよ、無症状だってさ」

これまで亡くなった方の総数は約1万人だから、知り合いが亡くなってしまったという人はさらに少ない。

思えば1年前にタレントの志村けんさんが亡くなったときは、テレビの中とはいえ子どもの頃からよく知っている人であり、ついこの前まで元気だったのに……、と大きな悲しみと、コロナウィルスへの恐怖が国民全員を襲った。

だがいまは、幸いなことにここ最近で、有名人が新型コロナで亡くなると言う話を聞くことは無く、有名人が感染したというニュースを観ても「ふ~ん」といった感じであまり驚きもしなくなった。

いま大阪で感染者が急増しており、変異株の増加だとされているが、国民の多くせいぜい雑談の話題程度で、【緊急事態】という実感がないのではないだろうか?

政治家にしても感染者が増えてきたから、やっておかないと叩かれるとか、五輪のバッハ会長が来る前に緊急事態宣言を解いてアピールしなきゃといった程度の覚悟だろう。

昨年、4月7日~5月25日の第一回目は緊張感があった。今年、1月8日~3月21日になるとほとんど緊張感はなくなっていた。そして今回はどうだろう? 関西をはじめとした医療関係者以外は、本当にいまが【緊急事態】と思っているのだろうか?

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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