海洋国家VS大陸国家の対決

社会・2022-03-29 19:13
海洋国家VS大陸国家の対決
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地政学という学問がある。国際政治を地理的条件から考えるもので、その中にシーパワー(海洋国家)とランドパワー(大陸国家)についての考察がある。

シーパワーは、米国や英国がその代表であり、日本も江戸時代270年間を除けばシーパワーの国であった。平清盛は中国大陸との交易で得た富で権力を握った。そのため、清盛は都を京都から福原(神戸)に移したほどだ。豊臣秀吉も、東南アジアや大陸と交易し、自分の城を当時の国際都市堺の近くである大阪に築いている。

現代の日本はというと、「Quad(クアッド・日米豪印4カ国戦略対話)」やTPP(環太平洋パートナーシップ)など海を使って安全保障や貿易をしている。

昔のシーパワー国家は、いったん船が海に出ていってしまうと、国は船を管理も防衛もできないため、自由であり自己責任で商売をする。その考え方から資本主義が生まれる。

対するランドパワーの代表は、ロシアと中国であろう。ランドパワー国家は、土地やそこに住む人間を国が徹底的に管理する。そこで得た富も国家が集め再分配する。ロシアと中国に社会主義が根付いたのは、ランドパワー国家は元々、社会主義的であったからだ。

そしてランドパワー国家は、陸に国境があるため侵略と防衛を繰り返してきた歴史がある。ランドパワー国家はシーパワー国家より、土地(領土)に執着する。

シーパワー国家は海運を駆使した商売がうまく、スペイン・オランダ・英国・米国と西洋の覇権国はみんなシーパワー国家だ。

東アジアの覇権国であるランドパワーの中華帝国は、豊かであり外国との交易よりも北方民族からの侵略に備えてきた。

ランドパワー国家ロシアは、寒く豊かな領土と凍らない港を求め、南下政策を繰り返してきた。シーパワー国家はそれを抑え込もうとして戦争を行ってきた。

現在、シーパワーとして米英がリードするNATOと、ランドパワーのロシアが衝突している。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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