君はニューノーマルについていけるか?

社会・2021-10-29 15:41

新型コロナの流行で、我々の日常は大きく変わった。過半数の会社で在宅勤務やテレワークを導入し、ビジネスも直接会うことからオンラインへと変化した。しかしこういう変化についていけないサラリーマンも多い。

出社を控えるように言われていても、毎日出社する人もいる。話を聞くと「やはり直接人と会わないと、お互いの気持ちが伝わらない」のだそうな。しかしリモートの社員よりも成績が良い、などということはないにも関わらず。

こういう昔からの制度や伝統、考え方に縛られている人は結構いて、パソコンが出回りだしたときや、携帯電話やスマホが一般的になりはじめたときに「こんなものはダメだ」と拒否する人は必ずいた。

優れているとわかっていても、新しいものや考え方を否定するのを、経済学用語では「経路依存症」という。これはこれまでの経験や伝統に依存してしまい、現状からなかなか脱することができないという脳の癖のようなものだ。

日本はバブル崩壊以来「失われた30年」と言われているが、これも経路依存症の弊害と言われている。バブルや高度成長時代の成功体験が忘れられず、また急速に成長するITやデジタル化を拒否したため、経済成長が止まったままになり、欧米や中国に置いてきぼりを食ったままになってしまった。

昨年だとコロナ禍の感染者などのデータを早急に集めないといけないのに、役所はいまだファックス中心だったり、脱ハンコが進まず生産性を低下させたままになっていたりするのがいい例と言えよう。

このような事態は、一般的には世代交代しないとなかなか改善されないと言われているが、すでにバブル崩壊から30年。そして急速に変化する現代社会において、ニューノーマル(新しい常態)に対応できないと、未来は暗いと言えよう。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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