北朝鮮拉致事件を風化させてはいけない

社会・2021-12-19 19:32
北朝鮮拉致事件を風化させてはいけない
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北朝鮮による拉致被害者、田口八重子さんのお兄様で、拉致被害者家族会前代表の飯塚繁雄さんが18日にお亡くなりなられた。本当に残念でならない。

北朝鮮政府は2002年の小泉首相の平壌訪問と、その後の我々の誠意と努力で解決済みとしているが、いかにかの国に、誠意など1ミリもないかをこれから述べよう。

日本政府が認定している拉致被害者は17人。北朝鮮は、このうち13人(男性6人、女性7人)について、日本人拉致を公式に認め、5人は日本に帰国しているが、残り12人について、北朝鮮は「8人死亡、4人は入国せず」と主張。

北朝鮮が死亡したと主張する8人の死因が、自殺1人(当時29歳)、ガス中毒2人(31歳、28歳)、交通事故2人(29歳、43歳)、心臓麻痺2人(24歳、27歳)、肝硬変(49歳)となっているが、自殺、ガス中毒、交通事故、20代なのに心臓麻痺が2人と、不自然なものばかり。

04年に北朝鮮が提出した、被害者の横田めぐみさんや松木薫さんの遺骨をDNA鑑定してみたら、別人のものや動物の骨だったという非常識というか、バカにしているのかという対応。

拉致が噂されたころ、日本の左派政治家たちは「北朝鮮はそんなことはしない」と、被害者家族を無視していたが、筆者もさすがに国家がそんな幼稚でバカなことはしないだろうと思っていた。日本はスパイ天国なのだ。素人の日本人を誘拐するよりもっと、楽で有効な方法はいくらでもある。ところが、そんな幼稚でバカな国家が実在していたことに、むしろ驚いた覚えがある。

国連によると、世界の北朝鮮拉致被害者は約20万人、これは「帰国事業」で北朝鮮へ渡った在日朝鮮人とその妻や夫たち、朝鮮戦争で捕まった韓国人や米国人が含まれているからだ。日本では政府が認定している人以外にも約100人いると推定されている。

一日も早く、この被害者たちの救済を願うばかりだ。絶対に北朝鮮拉致事件を風化させてはならない。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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