菅総理が行ったベトナム・インドネシアってどんな国?

政治・2020-10-21 12:27
菅総理が行ったベトナム・インドネシアってどんな国?
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菅総理がベトナムの首相との会談を終え、インドネシアとの会談を行った。

通常マスコミは「ベトナムはASEAN議長国。インドネシアはASEAN最大の国だから、一番に総理が行った」というが、経済上はもちろん、軍事上この2国は極めて重大な国なのだ。

まずはベトナム。この国は日本と同様縦長の国であり北端は中国と国境を接した長大な海洋国家である。人口は9千500万人と、おそらく多くの日本人が考えているより多い。南シナ海に面したこの国は中国、フィリピンと領有権で争っているが、ベトナムは社会主義国家であるが、現在同じ中国が軍事力を背景にベトナム近海を圧迫しつつある。

続いてインドネシアはというと世界の排他的経済水域4位の海洋国家。人口は2億6千万。水域だけではなく国土も世界14位で、日本の5倍以上広い。

インドネシアとシンガポールの間にあるマラッカ海峡を通過する原油量は世界第2位で、世界の15%もの貿易がこの海峡を通過して、日本や中国に運ばれている。

かくのごとく南シナ海は経済上・軍事上でも極めて重要なのだ。その重要な海を支配しようとしているのが中国である。

ベトナムの首都はハノイだが、目の前にある中国海南島に中国海軍が基地を構え、南沙諸島にある暗礁を埋め立てて人工島を作ろうしている。

それに対して、親米的な国である日本、フィリピン、ベトナム、インドネシアが南シナ海をぐるりと包囲している形となる。もし南シナ海を中国に支配されたら、原油はもちろん多くの貿易も支配されかねない。

菅総理が一番にベトナムとインドネシアを訪れたのは、そんな両国との関係強化のためなのだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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