どうなる米国中間選挙とトランプ前大統領

社会・2022-10-08 18:54
どうなる米国中間選挙とトランプ前大統領
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アメリカの中間選挙が11月8日に行われる。この選挙は米連邦議会上院の議席3分の1(35議席)と、下院の全議席(435議席)が改選されるというものだ。いま注目されているのは、バイデンの民主党か、トランプの共和党かというところ。トランプ氏が24年の大統領選に出るかどうかは、まだ不明だが、共和党の候補者の中でトランプ人気は圧倒的で、おそらく出馬は間違いないだろう。

現在、上院は民主党、共和党ともに50議席と同数。下院は民主党220議席、共和党212議席と民主党が多い。しかし現在バイデン大統領の人気が低く、そのためかいまや民主党より共和党支持率が高くなっている。

中間選挙にはおもしろい傾向があって、2大政党制になって、これまで40回の中間選挙があったが、その時の大統領が所属する政党が勝ったことは、たった2回しかない。

これは、現職大統領支持者は、政治に満足しているため選挙に行かず、現大統領支持者ではない人は、不満から選挙に行くからだと言われている。

そして現職大統領の所属政党が勝った2回は、世界恐慌と第2次世界大戦の間と、同時多発テロのときだ。では現在はというと、ウクライナ戦争中でありアメリカは記録的なインフレ進行中である。とはいえ3~4割いるアメリカの無党派層が、現状の民主党政権で満足しているとは思えないので、通例通りこんどの中間選挙では共和党が有利なのではないだろうか。

調査会社イプソスの調べでも、10月4日の大統領支持率は40%、不支持率53%であり民主党支持率78%、共和党支持率85%で、こちらも共和党の方がやや多いことからも、共和党が議席数を伸ばすだろう。

さてトランプ氏だが、トランプ氏は2年後の大統領選をにらんで、この中間選挙で共和党を勝たせ、国民に多いに存在感を示したいところだろう。共和党で大統領候補ナンバー1のトランプ氏だが、21年に連邦議会議事堂にトランプ氏の支持者らが乱入した事件をめぐって公聴会を開き、テレビで公開されたり、8月8日には、FBIがトランプ氏の自宅を捜索し、最高機密を含む複数の機密文書を押収されたりして、共和党支持者からもトランプ離れが起こっているという。さらにトランプ氏はCNNを名誉棄損で提訴、680億円の賠償を求めるなど、相変わらずのお騒がせぶりだ。

一方のバイデン氏だが、2年後の大統領選にでるかどうかまだわからない。ただもし出るとしたら、現職大統領の再当選率は高いはずだが、民主党議員のほとんどは弱弱しく見えるバイデン氏の続投を望んでいないという。かといってカマラ・ハリス副大統領は、民主党の大統領候補にしては、あまりにも人気がない。

お騒がせトランプの共和党か、弱弱しいおじいちゃんバイデンの民主党か、中間選挙は外交的にはあまり大きな影響はないが、2年後の大統領選には強い影響力がある。特にトランプ氏は、すでに自分に同調する候補者を220人以上集め、共和党内に大きな派閥を作ろうとしている。一般的には、共和党有利と言われる中間選挙だが、トランプ氏のお騒がせぶりに嫌気がさした無党派層が民主党に投票すると、もしかしたら民主党にも勝ち目があるかもしれない。

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