中国帰国者から聞いたコロナ禍
社会・2023-01-24 18:12中国が「春節(旧正月)」になって、中国に住んでいる友人が帰国したので、いろいろと中国の新型コロナ事情を聞いてみた。
12月7日、中国政府は新型コロナについての規制を大幅に緩和した。義務付けされていたPCR検査は、医療機関や高齢者施設などを除き不必要になり、これまで徹底されていた「ゼロコロナ」政策は終わった。
すると以前から心配されていた感染爆発が起こってしまった。
わずか2~3週間のうちにほとんどの中国都市住民が感染したという。友人も感染し、職場の人たちも全員感染したという。
報道では都市部の7~8割が感染したとされているが、友人の肌感覚では「ほぼ全員が感染した感じ」だという。
中国政府は12月8日から1月12日までに累計で約6万人が死亡と発表したが、実際ははるかに多く、友人の知り合いの親などが複数亡くなっているらしい。英国の調査会社の推計では、今年4月末までに170万人が死亡するとしている。
中国の人のほとんどは、中国製ワクチンを2~3回の接種をしているが、感染爆発は止められなかった。
中国製ワクチンでは大して免疫がつかなかったのだ。
これまでワクチン外交をしてきた中国政府のメンツは丸つぶれになってしまった。
それ以前に中国国内でも中国製ワクチンの信用は低く、もっとも必要な高齢者の接種率は半数程度であるらしい。
さらに12月にゼロコロナ政策がいきなり終わったのは、ゼロコロナ政策への反対デモがあったからだとされている。
中国政府としてみれば、メンツがありゼロコロナをやめたくてもやめることができなかったが、「国民の声を聞いた体にしてゼロコロナをとりやめ」にしたというのが本当のところらしい。
他にも中国では「政府がゼロコロナをやめたくて、わざとデモ起こさせた」という噂さえあるという。
ただこのときデモに参加した人たちは、AIによる顔認証などによって、いまでも捜査されていて、参加者がわかり次第いまも逮捕が続いているらしい。
それにしても、中国のゼロコロナ政策の失敗とその後の感染爆発は、大きく中国政府の信用を落としたことに違いはない。
都市部の感染はピークアウトしたようだが、1月21日から27日の春節によって延べ21億人の大移動がはじまった。
中国政府は「我々は新型コロナに打ち勝った」としているが、大人数が医療機関も満足にない地方に移動するため、次は農村部などの新型コロナの感染再爆発が心配されている。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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