ロシアだけではない、中国の独裁政権も危ない

社会・2022-03-16 18:26
ロシアだけではない、中国の独裁政権も危ない
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米国サリバン大統領補佐官と、中国外交トップのヨウ・ケツチ(楊潔篪)政治局委員の会談がローマで行われた。

米国は、中国がロシアに軍事装備品や経済支援をしないよう要求し、そのようなことをやれば「必ず代償を払うことになる」と述べたという。

米国の「代償」とは何か? 経済制裁を受けているロシアに対して、取引などをする国も「同じ制裁をするぞ」と言ったわけだ。これをセカンダリー・サンクション、二次的制裁という。

実のところ最近の中国は景気減速が著しく、中国の国家市場監督管理総局が、アリババグループに約3000憶円の罰金を科すなど、急成長しているIT大手を統制。コロナ禍では、西安など1千人以上の大都市を都市封鎖し、経済的に大きな打撃を受けた。五輪等で多少消費は増えたが、株価は低迷中。

今年秋に行われる共産党大会で、前代未聞の国家主席3期目を狙う習近平にとって、経済問題は自分の死活問題でもある。

現在、中国の失業率は5%と公表されているが、これは都市部の失業率で、農村などからの出稼ぎ労働者が入っていない。出稼ぎを入れると、実質失業率は20%。実に5人に1人が失業しているのが実態だ。

3期目を狙う習近平にとって、経済はもっとも大きな問題の一つなのだ。ロシアのプーチンはウクライナに侵攻してから、何もかもが裏目に出て、プーチン政権が危ぶまれるようになってきたが、習近平もまた、同じように北京五輪までにワクチンが普及し、コロナは収まると思っていたがうまくいかず、ゼロコロナ政策、経済政策、パラリンピック中のウクライナ戦争と、裏目ばかり。

ここで西側から経済制裁を受ければ、習近平の3期目は危うい。

我々はいま、プーチンと習近平という2大独裁政権崩壊という、歴史的局面を目撃するかもしれない。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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