平和ボケ日本から見たウクライナの自衛戦争
社会・2022-03-02 18:19ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始したのは、2月24日である。当初、ロシア側の動きは電光石火と言っていいほど速く、一気に片が付いてしまうのではないかとさえ思われた。ロシア側も早ければ2月26日に勝利宣言を行う予定であったという。
日本という国は、四海を海に守られた国であり、国境を戦車部隊が侵入して来るというイメージがほとんどない。しかし、今回戦車が国境を越えて、隣国に侵入するシーンを見た。
自分たちの市街地に侵入してくるロシア軍に対して、ウクライナ国民が武器も持たず立ちふさがる場面もあった。
そして多くの男たちが「自分も戦う」と、軍に志願しだした。いったんポーランドに逃げた人も、妻子を置いて戦うために戻る人がたくさんいた。火炎瓶を手作りする女性たちもいた。いまの日本に、もしどこかの国が上陸し侵略してきたら、こういう人たちはどれくらいいるのだろう。
いまの日本人の戦争イメージとしては、まずは太平洋戦争で、兵隊さんは国外に出兵し、兵士以外は母国で銃後の守りを行うものだろう。太平洋戦争では、日本本土は主に空襲で焼け野原にされ、残った市民が戦うイメージはあまりないのではないだろうか?
もちろん当時、国に残った人は、竹槍訓練を行っていたしその覚悟もあったとは思うが、日本本土において、市街戦はなかった。ナチス・ドイツに占領されたヨーロッパ市民によるレジスタンスのような抵抗運動もなかった。
ウクライナがやっている戦争はあくまで、国内の自衛のためであり、今の日本も自衛以外の戦いは望んでいない。
また、ロシアが求めているのはウクライナの非武装中立であり、戦後日本では非武装中立を党是とする政党や、知識人がいた。
戦後平和ボケと自嘲する日本人は多いが、平和ボケができる幸せと、自衛戦争とは何かや、平和を守るために何ができるのかを、今一度考えてもいいと思う。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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