岸田内閣高支持率の秘密は何もしないこと

社会・2022-06-01 18:47
岸田内閣高支持率の秘密は何もしないこと
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テレ東と日経の世論調査によると、岸田内閣支持率が、内閣発足後最高の66%になった。支持率上昇は3カ月連続ということだ。

岸田総理の人気の秘密はなんだろう? 外交・安全保障では、ウクライナの影響で、日本国民にも安全保障の関心が高まっているなか、5月23日にバイデン大統領と首脳会談を行っている。

この会談では、対中国への日米同盟の抑止力や、対処力を強化する方針を確認し、世論調査では今回の「日米会談を評価する61%」「評価しない21%」と、評価するがとても多い。

防衛費のGDP比2%以上への増額も「賛成する」が過半数以上と、支持を受けている。これなどは「安部一強」と言われた安部政権の全盛期でも不可能であったろう。これは明らかにウクライナ危機が岸田内閣に味方していると言える。

また、新型コロナも岸田内閣の味方をしている。世論調査では「新型コロナへの政府の対応を評価する」が70%もあるのだ。これは安部・菅政権時代と比べても最高の数値である。

ただこれは、オミクロン株になり重症化や死亡率が下がり、国民にコロナへの警戒心が下がっただけで、ワクチン接種も前政権の遺産である。

つまり岸田内閣はウクライナ、コロナといった世界的危機が後押ししていると言える。

が、しかしだ。一体、ウクライナにせよ、コロナにせよ岸田総理には何をやったのか? 表現すれば「一応、対応している」という程度だ。何か新しいことはやるふりだけ。

岸田総理についたあだ名は「検討使」である。「検討します」といってやるふりだけで、先送りにするのだ。

「コロナを2類相当から5類にして」「検討します」
「原発再稼働は?」「検討します」といった具合だ。

そして野党は存在感が薄らいでいる。立民などは「性行為をともなうAV禁止」で話題になるくらいだ。

どうやら、岸田内閣の高支持率は、何もしないことと、野党の低迷にあるようだ。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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