チベット・ウィグル・香港を弾圧する中国の夢とは?

社会・2021-03-02 18:06
チベット・ウィグル・香港を弾圧する中国の夢とは?
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ここ数年の間に、中国政府によるチベットやウィグル地区、香港への弾圧報道が盛んになっている。中国は一体何を目指しているのだろうか?

2012年、習近平主席は「2021年までに貧困を撲滅、中華人民共和国建国100年にあたる2049年までに、アヘン戦争以前の大国の地位を取り戻す。それが中国の夢だ」と語っている。

ホントかウソか本年2月25日の式典で習主席は「我が国は貧困を根絶するという奇跡達成した」と宣言した。本年とは習主席が「貧困を撲滅させる」と語った目標の年、2021年だ。

そしてもう一つの中国の夢「2049年までに、アヘン戦争以前の大国の地位を取り戻す」だが、英国のシンクタンクが2028年までに米国を抜き、世界一の経済大国になると予想している。中国は着々と夢に近づいているようにも見える。

ただ、中国が世界一の経済大国になるのはいいとしても、どうやら【中国の夢】はそれだけではないらしい。いま、先進国は西洋流のウェストファリア体制、国家の主権重視、国際法の重視で国際政治を行っている。

しかし中国の夢は「アヘン戦争以前の大国の地位を取り戻す」ことであり、これは単なる覇権国になるということではない。【中華帝国復古再興】、すなわち華夷秩序(中華を中心に外国は野蛮人(夷)という考え)あるいは冊封体制(中国皇帝に周辺国が貢物をして君臣関係を結ぶ制度)の復古再興であると言われている。

ただ、過去の中華帝国とちがい、現在の中国は社会主義国家であり、自分たちのイデオロギーに反する人々や国に寛容にはなれない。例えばそれは社会主義ではアヘンと言われている宗教である。国家イデオロギー以上に影響力を持つチベットの仏教や、ウィグルのイスラム教、あるいは香港の民主主義に寛容になれないようだ。

はたして今後【中国の夢】は実現するのだろうか?

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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