中国ゼロコロナ政策の愚

社会・2022-04-10 10:09
中国ゼロコロナ政策の愚
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中国上海市の人口は2600万人。東京都の倍もの大都会だ。その上海で新型コロナの感染が止まらない。

さらに驚くのは無症状者が感染者のうち98%もいるというのだ。つまりほとんどの人は、無症状であるにも関わらず隔離され、すべての上海市民は都市封鎖に苦しめられている。権威ある医学雑誌で英国のBMJ誌、17~20%が無症状であるという。

しかし上海の場合は98%。BMJ誌とあまりにも違う。また同じくBMJ誌の論文によると、無症状者が他人に感染させる率は、有症者に比べて3~25倍も低いらしい。

中国の新型コロナに無症状者が異様に多いのは、もしかしたらゼロコロナ政策で、全員がPCR検査を受けているからかもしれない。自由主義社会の場合、検査は本人の意思で受ける場合が多い。それは感染者と濃厚接触をしたり、本人に何らかの症状が出てから受ける。たとえ感染していたとしても、無症状だと気が付かず検査は受けない場合が多いのかもしれない。

多くの病気は、症状が出てから検査・治療をはじめる。例えばほとんどの人はヘルペス菌を持っているが、帯状疱疹など症状が出てからはじめて発病となるが、新型コロナは違う。もしかしたら、日本でも全員を検査したら、上海より感染者率が高いかもしれない。

ある専門家が今年の初め頃「オミクロンになってから、感染は天然のワクチンとなっている。中国はながくゼロコロナに成功してきただけに、免疫力が弱い可能性がある。これから大流行するのではないか」と危惧していたが、98%が無症状なら問題ないのではないだろうか?

98%が無症状なのに、商都上海での都市封鎖は、コロナの害以上に経済的打撃があまりにも大きい。まさにゼロコロナ政策の愚といっていいだろう。

もし本当に98%が無症状なら、コロナとの共生を考えたほうがいいのではないだろうか?
これは日本にも言えることで、人はコロナのみで死ぬわけではないのだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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