菅さん、生活保護について知っていますか?

政治・2021-01-28 20:59
菅さん、生活保護について知っていますか?
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「政府には最終的には生活保護という仕組みがある」とは27日の参院予算委員会で、困窮している人に対して問われたときに語った言葉です。

菅さん、あなた生活保護についてよくわかっていておっしゃってますか?

あのですね、日本の生活保護というのは、資産を持っている人や、親族にその人を扶養できる人がいる場合、基本受給できない制度のですよ。

わかりますか菅さん、資産というのは預金や土地家屋、有価証券、貴金属類、払戻金の多い生命保険、のことで、これらを持っていると、政府や行政の安全地帯にいる人は「それらを売ればいいじゃない」と相手にしてくれないのですよ。

シングルマザーが生活に困窮して相談窓口にいっても「風俗で働けば?」なんて行政の人に言われることだってあるんです。

生活が大変で生活保護の申請に行くと、お役所は親戚や親族に通知を送って援助を依頼するのですよ。つまり、自分が生活に困っていると親族に知れてしまうことになるのです。

そんなことがあるため、生活保護を利用する資格のある人のうち、現に利用している人の割合は2割程度しかないのです。数百万人の人たちが、生活保護を受けずに生活しているのをご存じですか菅さん。

ちなみに諸外国における資格がある人の利用率は、スウェーデン82%。イギリス47~90%、フランス91%に対して、日本は22%程度と、日本は資格があるのに、受給していない人が圧倒的に多いのです。

どうも菅さんのお言葉から感じるのは「政府は国民を救う気はない。そうしても救ってほしければ、生活保護があるからそちらでどうぞ」と言っているような気がするのですよ。

菅さんは総理就任のときに「私が目指す社会像。それは自助、共助、公助、そして『絆』であります」

と言ったそうですが、少なくとも国民との絆はなさそうですなあ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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