ウクライナ戦争 フェイク情報に気を付けろ!
社会・2022-02-28 18:44戦争には、嘘・デマ・フェイク・プロパガンダ(宣伝戦略)が付き物だ。プーチン大統領はウクライナ侵攻を「これは平和維持活動」「現政権の迫害やジェノサイドを受けてきた人々を守るため」「占領は計画にない」などと主張している。
まるで旧日本帝国の大本営発表だ。いまさらこれらの言葉を信用する人はいないだろう。しかしデマやフェイクは、大本営やロシアのお家芸ではない。
戦争や侵略をしたいとき、米国も盛んにこれをやってきた歴史がある。
1991年、クウェートとイラクの湾岸戦争で、米国と多国籍軍は何をやったか? 有名なところでは「油にまみれた水鳥」であろう。
これは、「イラクが破壊した石油施設から流れ出た重油によって身動きが取れなくなった水鳥」として発表され、世界中の人たちが可哀そうな水鳥を憐れみ、環境破壊をするイラクを憎んだが、実際は多国籍軍が破壊した石油施設から流れた重油で、水鳥が動けなくなったのだ。犯人は米国と多国籍軍だったのだ。
湾岸戦争前は、ほとんどの米国人が戦争に反対していた。そんなとき米国議会にて、15才のクウェート出身の美少女『ナイラ』が「イラク軍兵士がクウェートの病院から、保育器に入った新生児を取り出して放置したのを見た」と、泣きながら証言した。
それまで米国人の8割もがイラクとクウェートへの介入に反対していたにもかかわらず、この「ナイラの涙」に感化され、米国議会は 湾岸戦争を決断、多国籍軍はイラクを空爆することになる。
その結果、おびただしい数の兵士はもちろん民間人も死亡することになるが、実は『ナイラ』という少女は実在せず、演じた少女は駐米クウェート大使の娘で、クウェートにも一度も行ったことがなかった。つまり大嘘だったのだ。
このように、有事の際にはいろいろなフェイクが飛び交う。どちら側にせよ、一方だけの情報を頭ごなしに信じないことだ。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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