中国で異例の抗議デモ、台北市長選で親中派が勝利!どうなる中台問題

社会・2022-11-30 10:23
中国で異例の抗議デモ、台北市長選で親中派が勝利!どうなる中台問題
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習近平氏が異例の3期目を迎え、習政権は盤石だと思われた。
それがいま「習近平ヤメロ」「共産党はウンザリだ」「自由が欲しい」とデモが起き、天安門事件を思い出させるような事態となっている。これは明らかに異常事態だ。

ゼロコロナ政策を続ける中国だが、新型コロナによる死者は、この半年間でわずかに1人、それも87歳の男性だ。死因は基礎疾患の悪化であったという。
それでも中国政府は、全土でのロックダウンをいまでも約2万か所も行っているのだ。

なぜ中国はゼロコロナ政策をやめることができないのだろうか?

中国は日本や米国のように小さなクリニックが少なく、ロックダウンをやめてもし感染者が増えると、大病院に患者が殺到し、医療崩壊の恐れが大きいと言われている。
中国政府もこれは避けたい。

またこれまで「ロックダウンは正しい政策」と言い続けてため、一気にやめてしまうと「中国政府は間違っていた」となりかねない。
さらにいまゼロコロナを撤廃すると、抗議デモが成功したことになり、これからの統制に影響してくるかもしれない。

いまの中国政府は人民の不満、医療崩壊の恐れ、経済や人心を犠牲してもゼロコロナをやめられない、などのジレンマにあるといえよう。

かつての中国政府なら、人民の不満が権力者や共産党に向かった時、不満の矛先を他国に向かわせるという方法もあった。
日本・米国・台湾などにだ。

さてその台湾。
統一地方選で与党「民進党」が大敗北。
蔡英文総統は、総統は任期まで続けるも民進党の主席は辞任した。
蔡英文総統は、米国のペロシ下院議長と会談するなど、親米政策をとってきた。

勝った最大野党「国民党」は親中派。
特に首都台北市で買ったのは、蔣万安(しょうばんあん)氏。

蔣万安氏は43歳、台湾の初代総統の蔣介石のひ孫という血統である。
台湾において台北市長は、総統への登竜門であり、蔣万安氏は次の総統候補となった。

もし親中派の「国民党」から総統が出た場合、台中関係はどうなるのか?
日米の対中政策に変化はあるのか?

台湾の総統選挙は2024年。
米国の大統領選も2024年。
自民党総裁選も2024年だ。

これから習近平はどう動くのか?
セロコロナ政策など中国人民の不満にどのような対策を打つのか? 若年層の今年7月の失業率は19.9%、11月は17.9%だ。
地方からの出稼ぎは調査にカウントされないから、実際の失業率はもっと高いだろう。

極東の情勢は、今後どうなるかわからない。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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