ウクライナ戦争の停戦条件がロシアに有利すぎる

社会・2022-03-19 12:21
ウクライナ戦争の停戦条件がロシアに有利すぎる
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ロシアが苦戦している。英国国防省のツイッターによると「ロシアのウクライナ侵攻は、あらゆる面でほとんど行き詰まっている」と発表。事実、ここ数日ロシア軍の侵攻は最小限にとどまっている。

また、ロシア軍の少将4人が戦死した。ロシア軍は当初20人の将官(大将・中将・少将)を派遣したと言われている。2~3日で4キエフ陥落の予定が、それが果たせず長期化し、多くの損害を出したため、まず8人の将官が解任されたという。

戦士した少将たちは、明らかにウクライナ軍に狙い撃ちをされていて、その理由はロシア軍が民間で使う携帯電話や無線で通信しており、その内容がすべてウクライナ側に傍受されているため、重要指揮官の居場所までバレバレになっているためだという。

そして2日前ウクライナの停戦協議代表団が「ロシアの態度が大きく変化した。ここ数日中に停戦できると信じている」と米メディアに発表している。

英メディアによると、いま考えられている15ある停戦合意案のうち公表されているのは以下の5項目だ。

1,ロシア語の公用語指定
2,米欧などの安全保障と引き換えに他国軍の基地や兵器の国外排除
3,ウクライナのNATO加盟断念
4,ウクライナ軍の維持
5,ロシア軍の撤退

一見するとウクライナ有利に見える内容だが、よく見ると単純にロシアが初期に要求していた条件そのままだ。

「ロシア語の公用語指定」はロシア化の一つだし、ロシア軍が撤退しウクライナ軍が維持されたとしても、NATOからの武器を排除されたら、ほとんど武装解除に近くなってしまう。

そして、おそらくクリミアやプーチンが勝手に承認した東部のドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の返還は入っていないだろう。

誰しもが戦争の終結を望んでいるが、これらの条件を丸のみすれば、ロシア側の思いのままになってしまうため、これからの交渉がどうなるか世界が注目している。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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