第一波の緊急事態宣言は、効果はあったのか?

政治・2021-01-05 12:34
第一波の緊急事態宣言は、効果はあったのか?
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2021年1月4日、菅首相は年頭記者会見で『緊急事態宣言』の検討に入ると宣言した。また、大手メディアの世論調査でも緊急事態宣言を「出すべき」と答えた人は過半数を越えているようだ。

しかし緊急事態宣言発出ということは、大きく経済が減速するということを意味する。昨年秋から自殺者が急増したが、その背景に新型コロナによる経済的打撃があることに疑いの余地がない。

緊急事態宣言を行った結果、幸い感染者や死亡者が減るとすれば、うれしいことだが、その一方自殺者が増えるようになってはならない。つまり給付金など「補償とセット」であることは大前提であろう。しかし菅首相はこともあろうに「飲食店などへの給付金と、休業要請に違反した場合の罰則をセットにする」と言う始末。つくづく国民愛のない政治家だなあと思った次第である。

もし緊急事態宣言を発出するのなら、ぜひ補償を先に飲食店等に渡してからにしてほしいものだ。お店が潰れたり、誰かが亡くなってからの給付金では遅いのだから。

緊急事態宣言は、医療がひっ迫してきているから発出を検討ということらしいが、春の第一波のときから冬はひどくなると言われてきたのに、その準備を怠ってきたということであろう。我が政府はアリとキリギリスのキリギリス並であることが証明されてしまった。

そしてもう一つ、春の第一波のときに緊急事態宣言が、はたしてどれくらいの効果があったのか?

緊急事態宣言の対象が全国に発出されたのが2020年4月16日。政府が緊急事態宣言を発出した途端、感染者数は激減しだしたのだ。

緊急事態宣言の効果はスゴイ! と、考えがちだが、新型コロナの潜伏期間が感染から約2週間。つまり緊急事態宣言の前に、感染はピークアウトしていたと考えられ、だとすると、緊急事態宣言の効果はなかったと推定できるのだが……

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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