台湾有事GDP世界1位(米国)2位(中国)3位(日本)が戦争をする危険

社会・2022-08-06 19:53
台湾有事GDP世界1位(米国)2位(中国)3位(日本)が戦争をする危険
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ペロシ米下院議長が訪台し、中国は台湾をぐるりと取り囲んで演習、ミサイルを9発撃ち込みそのうち5発は日本のEEZ(排他的経済水域)に落ちるなど前代未聞の威嚇行為を行い、極東の緊張感は一気に高まった。

中国としては、ここで米国に対して威嚇行為をしておかないと、今後アメリカに舐められるおそれがあるため、この行為は必然であったともいえる。

アメリカとしても、ペロシ米下院議長がこの緊張感を避けるために訪台を取り止めたら、中国が「アメリカは弱腰だ」「アメリカ恐るるに足らす」となり実際に台湾有事(台湾戦争)が起こってしまうかもしれない。よってペロシ米下院議長は台湾に行くのも必然であった。

どちらにせよ、「まさか」と思っていたウクライナにロシアが攻め込んだごとく、いま台湾有事はいつおこってもおかしくない。万が一中国が台湾に侵攻した場合、どういう形にせよ日本も巻き込まれることになる。

そうなったらGDP(国内総生産)世界1位のアメリカ、2位の中国、3位の日本が戦争状態になる。これもまた前代未聞の事態となり、世界経済への悪影響ははかりしれない。

中国=中華人民共和国は、元々台湾=中華民国を認めず、「台湾は中国の一部」という姿勢である。そのため中国は05年に『反国家分裂法』という法律を作り、台湾が独立姿勢を強めた場合、軍事力で台湾を制圧、そして統一すると公言している。

さてもし台湾有事が起こったら、日本に何が起こるか? 台湾のすぐ隣にある与那国島や尖閣諸島は上陸し占領にくる可能性がある。

アメリカはおそらく台湾防衛に専念するため、日本の与那国島や尖閣を守る余裕はないだろう。そうなると自衛隊単独で、それらの住民や国土を守る必要がある。

また自衛隊は、日本領土防衛以外に武力を使うわけにはいかないので、アメリカと台湾への後方支援をすることになるが、膨大な財政支援を要求されることになるだろう。

ここにきておかしな話になってしまったが、現実的には日本と台湾に国交は存在しない。そのため日本政府と台湾政府は、直接政府同士が話し合うシステムが現時点では存在しない。当然、自衛隊と台湾軍との間に、連絡を取り合うシステムはないのだ。

日本は50年前の日中国交正常化のときに、中国を選び台湾を切り捨てたという歴史があるのは皮肉だ。

また「戦争は絶対ダメ! 話し合いで解決すべき」とお花畑平和主義者が言う。しかし今月4日、日中外相会談が予定されていたが、ペロシ米下院議長訪台もあり、中国側がドタキャンした。話し合おうにも相手が応じない場合が今回のように実際にあるのだ。

それでも戦争を避けるために日米対中は最大の努力をするべきだ。台湾有事が起こったら誰も得をしないのだ。もし起こったらウクライナのような泥沼化は目に見えている。戦争ははじめるのは簡単だが終わらせるのは難しいからだ。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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