日本政府は北朝鮮にまで嫌われたくないのか
社会・2022-05-29 18:4325日、北朝鮮が弾道ミサイルを3発発射したのに対し、国連は制裁強化の決議案採択を行ったが、案の定ロシアと中国が拒否権を行使して否決され、国連安保理が機能していないことが改めて浮き彫りになった。
そんななか、世界が二つの勢力に分断されようとしている。新連合国と言える欧米諸国や日本・韓国と、新枢軸国とも言えるロシア・中国・北朝鮮である。
欧州諸国は、ロシア以外の国と遠く離れているが、日本と韓国は、枢軸3国と隣接している。しかし岸田政権は枢軸3国に対して、どうも「ことなかれ主義」でやり過ごそうとしているように見える。
そもそも日本という国は、太平洋戦争敗戦後、どのような国に対しても「嫌われないように」するという戦略でやってきた。武力よりも経済を優先し、他国はなるべく批判しないというスタイルだ。これは旧ソ連・中国・北朝鮮に対しても同じ姿勢であった。これらの国に媚びる政治家も少なくなかった。
そしていま、林外相が、新型コロナが大流行している北朝鮮に支援が必要だとし「あそこの国とは国交もない。だから放っておけばいいとはなかなかならない」と述べた。
ただ、北朝鮮から助けてくれという要請はない。ないどころかミサイルを発射されたばかりである。核開発もやめない。拉致問題も進んでいない。それでも林外相は、頼まれてもいない支援をしたいらしい。
北朝鮮は他国がワクチンを提供しようと申し入れても無視の国である。日本がいまさらワクチン支援を申し入れても、拉致問題ひとつ好転しないことはわかりきっている。
それでも日本政府は、犯罪国家を親切にしてでもいい人ぶりたいのか? バカなのか?
それとも日本政府は、まだすべての国に嫌われたくないのか? 日本政府こそ、嫌われる勇気が必要なのかもしれない。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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