ロシアは中国の属国になる
社会・2022-04-12 19:40フィンランドとスウエーデンにNATO入りの可能性が出てきて、ロシアの孤立はすすむばかりだ。
ロシアの頼りは中国だが、これまで中露関係が良好だったかというと、必ずしもそうではない。中露は長い期間国境問題を抱えてきた。日本にもっとも近いヨーロッパと言われる日本海のウラジオストクもその一つだ。清国以前からここは外満州と言われる中華帝国の領土であった。
それが1860年の北京条約によりロシア領になった。現在の中国の歴史教科書には、「極東の中国領150万平方キロが、不平等条約によって帝政ロシアに奪われた」と書かれている。これは中国側が【力で奪われた屈辱感】をいまも持っているということだ。
他にも中露国境問題では、1960年代末にウスリー川や黒竜江の中州の領有権をめぐって中ソ両軍が武力衝突、核戦争など全面戦争に発展しそうになったこともある。04年のプーチンと胡錦涛の会談で、国境問題は一応解決したことになってはいるが、中露国民が納得しているわけではない。
これまでも中露間は、中国が資源を買って製品を売る事実上の植民地貿易であったが、ウクライナ戦争で孤立と困窮を深めるロシアは、この傾向がますます強くなるに違いない。
さらに20年ほど前から、極東ロシアに大量の中国人が流入しており、中国人自治区ができる可能性すら囁かれていた。
ウクライナ戦争前でさえ、極東ロシアは中国経済なしには成り立たなくなっていた。それが今後間違いなく全ロシアが中国経済なしにはどうにもならなくなる。
2014年のクリミア併合で制裁を受けたロシアは、売れなくなった原油と天然ガスを中国に国際価格よりも安く売らざるを得なかった。ウクライナ侵攻後、中国はさらにロシアの足元を見る可能性は大。
やがてウラジオストクのある地域あたりを返せとか貸せとか言うかもしれない。もはやロシアは中国の属国にならざるを得ない状態になりつつある。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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