習近平とプーチンの蜜月は終わりそうだ
社会・2022-05-20 18:11中国共産党に高玉生(こう・ぎょくせい)という人物がいる。元ウクライナの中国大使で、モスクワ中国大使館に勤務したこともある人物だ。
その人物が中国政府系機関の内部向け討論会で「ロシアが負けるのは時間の問題、プーチンのもとでロシアの復興はありえない」と発言したという。
もちろん高玉生の発言は一瞬で消去されたが、ロシアで外交官、ウクライナで大使までやった人物が、そこまで断言したことは、全中国のエリート階級に衝撃を与えた。中国の事情にくわしい週刊現代・現代ビジネスの編集次長である近藤大介氏が、高玉生元大使の主張を翻訳しているので、ざっくりと要約すると
「世界41か国の国防会議で、米国を中心とした新たな軍事同盟というべきものが誕生した。
ウクライナはソ連解体後独立し、親ロシア派と親欧米派が競い合いながら政権をとってきたが、2014年、ロシアがクリミア半島併合後、反ロシア感情が高まった。
さらに今回の侵攻で、ウクライナ国民が抗ロシアになってしまい、旧ソ連圏の諸国は、ベラルーシを除いてロシア側につくことを拒否している」
そして「ウクライナ侵攻のため、第二次世界大戦の敗戦国であり、軍事的に積極的になれなかった日本とドイツが、軍備を拡張させ、より政治大国の地位を掴もうとする。ただし西側陣営から離れることはない」
つまりロシアは世界中を敵に回し、さらに日本とドイツという旧軍事大国を目覚めさせてしまった。中国はロシアを切れと、高玉生元大使は言いたいらしい。
習近平とプーチンは38回も会談をしているほどの蜜月関係だったが、5月9日にロシアで行われた軍事パレードには祝電も送っていない。とはいえ、中国にとってロシアは西側の緩衝地帯であり、反米思想は同じである。社会体制も似ているため、ロシアを完全に見捨てることはしないだろう。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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