習近平とプーチンが恐れる民主化
社会・2022-03-23 19:23民主主義の国とそうでない国を分けると、民主主義の国というのは、世界で3分の1くらいしかない。世界の3分の2が独裁・専制主義と言われる国であるわけだ。
民主主義のはじまりは古代ギリシアまで遡る。民主政治は長続きせず、民主主義に名を借りた独裁者の出現などにより、古代の民主政治は機能しなくなった。
次に民主主義が台頭してくるのは、18世紀のアメリカ独立戦争やフランス革命まで待たねばならない。つまり民主主義という統治形態は、人類が国という集団を作ってから、極めてめずらしい変わった形態なのだ。
20世紀になり、もう一つのまったく新しい統治形態が登場する。それが共産主義を理想とする社会主義国家だ。その第一号がロシア帝国を倒したソビエト連邦。
その後、ぞくぞくと社会主義国は生まれ、米国を代表とする民主主義(資本主義)体制と、ソ連を中心とする社会主義体制は世界を二分することになる。
社会主義体制をわかりやすくいうと、富を国が管理し、国民に平等に分配する制度である。しかしこれは見事に失敗した。人類はそう理想的ではなく、社会主義国では、独裁や汚職、大量虐殺と飢えに苦しむ社会となってしまい、中国は社会主義経済をやめて資本主義経済を取り入れ、ソ連は崩壊した。
中国とロシアは資本主義を取り入れたが、民主主義は取り入れなかった。いま習近平とプーチンがもっとも怖がっているのは、自国民が民主主義を求めることである。
当然、それは【民主主義を認める=自分の権力崩壊】を意味するので認めることはできない。
そして2人とも、自分の国がかつて支配していたとされる土地を取り戻そうという(日本で例えるなら、満州は昔日本のものだったから、取り戻そうといった)妄執に取りつかれている。
しかし両国民はそろそろ気づきつつあるらしい。これから両国民がどうするかは、歴史が証明してくれるだろう。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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