ウクライナ戦争はどう終るのだろうか

社会・2022-04-22 17:10
ウクライナ戦争はどう終るのだろうか
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ロシアのウクライナ侵攻から約2か月。戦争の泥沼化が予想されている。ロシア側としては、5月9日の対ドイツ戦勝記念日までに、ウクライナ南東部にある要衝マリウポリなどドンバス地方の平和を取り戻したという形にしたいところだ。その後、ゼレンスキー政権を打倒し、ウクライナ全土を属国にしたい。

一方、ウクライナ側としては、ドンバス地方は元々ウクライナの領土であり、またロシアに実効支配されたとしても、多くの市民が残っており、この地を見捨てるわけにいかず、奪還するまで戦うつもりだろう。

さて、戦争というのは始めるより終わらせるほうが難しいもの。では過去の戦争はどのような形で終結してきたかというと、防衛省防衛研究所の千々和泰明氏によれば、多くの場合『妥協的和平』をすることで終結する。

例をとれば朝鮮戦争がそうだ。朝鮮半島を二つに分けるという妥協の末休戦した。(ただし正確に言うと朝鮮戦争はまだ終結していない。いまだ休戦中)

もう一つが、妥協せずに相手を打倒し戦争目的を達成する『紛争原因の根本的解決』だ。これは01年のアフガニスタン戦争ではタリバン政権打倒まで米国は行った。03年のイラク戦争もフセイン政権を潰すまでやった。

妥協的和平は、朝鮮戦争がいまだ終結していないごとく、あるいは91年の湾岸戦争で、フセイン政権を打倒しなかったため、03年にイラク戦争が起こってしまったように「戦争の先のばし」になるおそれがある。

・『妥協的和平』は今の犠牲を重視
・『紛争原因の根本的解決』は現在の犠牲は出るが将来の犠牲を少なくすることができる終結法

と、言えそうだ。

そもそもこの戦争は今年の2月24日からはじまったものではない。14年のクリミア半島やドンバス地方にロシアが侵攻してきたときから8年間もずっと続いてきたものなのだ。この戦争の終結がどのようなものになるのかは、まだ誰にもわからない。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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