実力者菅義偉に足りないアピール力と人間的魅力

政治・2021-07-20 19:36
実力者菅義偉に足りないアピール力と人間的魅力
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菅義偉氏が総理大臣になって10か月ほどたった。五輪と新型コロナウィルスに翻弄され続けた10か月といっていい。
そのため今月の各マスコミの世論調査でも支持率最低、不支持率最高を更新している。菅内閣発足のときに小泉純一郎氏、鳩山由紀夫氏に続く歴代3位の高支持率であったにもかかわらずだ。

確かにいま菅首相の支持率は最低にまで落ち込んでいるが、元々彼は政界において大変な実力者であった。首相になる前は自民党の重鎮からも若手からも信頼され、ときに畏れられる存在であった。だからこそ安倍政権時代。安部氏は菅氏を手放さず2822日と官房長官最長記録を樹立までしたのだ。

さらにIT化など慣習打破を目指し、携帯電話料金の値下げ、不妊治療の保険適応などは成果を上げている。

新型コロナワクチンを1日100万人に接種も達成しており、コロナ禍なのに倒産件数は大幅減。しかし……、支持率を見てもわかるように、菅首相の政治は評価されていない。

理由はたくさんあるが、もっとも大きな理由は、菅義偉氏自身の魅力不足にあるのではないだろうか?

相手の目を見ずに喋り、活舌は悪く何を言っているのかわかりづらい。容姿についてはいいたくないが、人を引き付けるものがあるとは言い難い。何といってもイメージや雰囲気が暗いのだ。

歴代総理で人気があった、小泉純一郎、田中角栄、吉田茂などは国民に強烈なアピールと存在感を与えてきた。

安部前首相にしても、アンチ安部派から「アベでなければ誰でもいい」「全部アベのせいだ」と言わしめながらも歴代総理最長の記録を打ち立てた。

現在の状況では、おそらく他の誰が首相をやっても成果として大差ないと思われる。しかしもし、アピールがうまい政治家や、人を引き付けるスピーチができる政治家が首相になっていれば、同じ成果でも、支持率は上がっていたかもしれない。

最近の菅首相を見ていて、そう思えてならないのだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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