北京冬季五輪に金正恩氏が来るから岸田総理も出席をだって?

社会・2021-12-17 19:02
北京冬季五輪に金正恩氏が来るから岸田総理も出席をだって?
閉じる

人権問題で「政治的ボイコット」を岸田総理がするかどうかで、12月15日の国会において、立憲民主党の白眞勲(はくしんくん)参議院議員が「北京五輪に金正恩氏が来るかもしれないから、岸田総理も行くべき」と、問う場面があった。

これは拉致問題が停滞しているいま、岸田総理が所信表明演説で、拉致問題について「あらゆるチャンスを逃すことなく、私自身、金正恩委員長と向き合う」と語ったんだから、北京五輪に行って金正恩氏に会うべきと、白議員は言ったわけだ。

これに対し岸田総理は「これは別々の問題」と答えた。

この白議員の問いに対し、何となく嫌な感じがしたのは、筆者だけであろうか?

確かに、もし本当に金正恩氏が北京に来て、岸田総理と対話が可能なのであれば、白議員が言うように、岸田総理が北京五輪に出席する価値はある。ただし……

金正恩氏が北京五輪に出席する可能性はゼロに近いのだ。なんといっても、北朝鮮の選手団は、IOC(国際オリンピック委員会)から、「一方的に東京五輪不参加の決定をした」として罰則を受けており、北京五輪には出場できないのだ。

北朝鮮が東京五輪に参加しなかったのは、金正恩氏が異常なほど新型コロナを怖がり、選手団が新型コロナウィルスを持ち帰らせないためだったと言われている。中国のコロナ騒動はほぼ収まっているが、世界中から人が集まる五輪に、金正恩氏がやってくるとは思えない。

白議員も、そんなことはわかりきっているはずだが、何でも反対の立憲民主党としては、拉致問題を【利用】して、岸田総理の【失言】や【嫌がらせ】を狙ったのだろう。

そもそも立憲民主党の蓮舫議員などは、東京五輪のときに「五輪を【政治利用】するべきではない」と言っていたが、白議員に【政治利用】された拉致被害者の方々のお気持ちはいかばかりであろうか?

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

関連記事
関連タグ
社会新着記事