落ち目裏目のプーチン いまや国民友好国からも見捨てられそう

社会・2022-09-29 18:17
落ち目裏目のプーチン いまや国民友好国からも見捨てられそう
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人間、落ち目になると打つ手打つ手が裏目に出るものだ。いまのプーチン大統領がまさにそうかもしれない。

そもそも2月末に行ったウクライナの首都キーウ侵攻が裏目のはじまり。ほんの2~3日で戦争目的であるキーウを陥落するはずであったのが失敗。ロシア軍は苦戦を強いられる。

ゼレンスキー大統領暗殺を何度も試みるも失敗。そのゼレンスキーは、自分の動画を国内外に毎日発信という前代未聞の行動を行い、ウクライナ兵を鼓舞し、西側世界を味方に付けていく。これもプーチンにとって予想外であっただろう。ロシア軍は、キーウ占領をあきらめ東部に兵を転進させる。

プーチンは東部ウクライナにおいてロシア系住民の歓迎や協力を得られると思っていたらしい。しかし東部でもロシア軍は激しい抵抗にあう。またも読み違えだ。

そしてここにきてようやく西側の経済制裁が効いてきた。8月のインフレ率は+14.3%。欧米の8~9%と比べてもかなり厳しい。ちなみに日本は2%程度だ。

そしてここにきて、頼みの綱である中国や友好国の態度がひどく冷たくなってきている。

9月15~16日に行われた「上海協力機構(SOC)」で、インドのモディ首相は、プーチンに「いまは戦争の時代ではない」と面と向って言われ、仲良しだった習近平の態度は明らかに冷ややかであり、対するプーチンの顔はこれまでにないほど弱弱しかった。

また「上海協力機構」において、旧ソ連諸国に対して、常に高飛車だったプーチンだが、今回は媚びるような笑顔で接していたのが印象的だった。

24日、国連総会において、中国の王毅外相は「EU主要国が平和を達成するために、あらゆる努力をすることを支持する」と、態度が変わってきている。プーチンは見捨てられつつあるのかもしれない。

プーチンの犬とさえ言われたチェチェンのカディロフ首長は「ロシア軍に失敗があった」と批判。
ロシア軍に協力してきたベラルーシのルカチェンコ大統領も「これ以上続ける必要はない、終戦に合意すべきだ」と発言。

プーチンの影響力はロシア本国でも弱まっているようで、30万人動員令が出すと各地で抗議デモが起き、ロシア東部のイルクーツク州では徴兵事務所の所長が、徴兵を拒否する25歳の男性に撃たれるという事件が発生した。

捕らえられた男性は「ウクライナで死ぬくらいなら、刑務所で死んだほうがマシだ」と言ったという。起死回生の30万動員も裏目である。

落ち目裏目のプーチンは、これまでの友好国からも冷たくされ、動員令で国民からも見放されつつあるようだ。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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