在日ロシア人に嫌がらせをするみっともない人たち
社会・2022-04-19 18:02JR恵比寿駅に設置されているロシア語の案内表示が、クレームにより撤去されたというニュースを見て、さすがにあきれてしまった。「これは逆の批判を受け、元に戻すに違いない」と思っていたら、案の定批判の嵐で、慌てて元に戻した。みっともないことこの上ない事件である。
2月末のロシアによるウクライナ侵攻以来、同じようにみっともない日本人たちによる、在日ロシア人やロシア関係者への嫌がらせが絶えない。
ある在日ロシア人の主婦は、これまで仲良くしていた日本人友達から、仲間外れにされたり、ありもしない陰口を言われたりしているという。あるロシア料理店に罵詈雑言とともに、ロシア兵の死体写真を添付したメールを送り込むものがいたり、ロシア関係の商品や食材を扱うお店への脅迫電話や無言電話が絶えないらしい。
これと同じような例は過去にも、在日外国人へのヘイト発言やデモ、不倫をしたタレントへの罵詈雑言、新型コロナ流行時における自粛警察などなど、人間はわかりやすい攻撃対象を見つけ、罰することに快感を覚えるようにできているようだ。
そして「この人なら叩いても大丈夫」という相手に対して、【正義の制裁】を加え、快感に浸る。人間は正義のためなら、どこまでも残酷になれるのはよく知られている。悪いことに【正義のため】なんだから、嫌がらせをしている当人に罪悪感はなく快感のみということになり、深く物事を考えることもできなくなる。
また、このような行為をする人は、ルール違反をする人に対して正義を実行しているつもりなので、個人的には善人が多いという。ただ、ロシアという国と個人の区別をつけることができず、罪なき人に石を投げているわけだから、みっともない上間違った行為をしていることに違いはない。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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