野党の役割ってなに?

政治・2020-12-05 10:26
野党の役割ってなに?
閉じる

SNSを何気なく見ていると「野党っていらないんじゃね?」的な発信があった。なんでも「政府の反対ばかりしている」「対案を出さない」といったことを指しているらしい。「野党に投票しても政治に反映しないから無駄」という人もいる。本当に野党は必要ないのだろうか?

その前にちょっと言葉の整理をしておこう。まず「政府」「与党」「野党」の違いとは何か? 「政府とは広く司法・立法・行政の総称。通常は内閣を指す」
「与党とは政権を担当している政党」
「野党とは政権を担当していない政党」

では「野党は政府の反対ばかりしている」というのは本当かというと、『選挙ドットコム』というサイトで、立憲民主党の中谷一馬衆議院議員が言うには「2017年11月~2020年6月の国会を見ていくと、立憲民主党会派は、政府提出法案の83.1%に賛成」と、8割以上の法案に賛成している。最も賛成率の低い共産党でも54.1%賛成しているとのこと。決して「なんでも反対」というわけではなさそうだ。

次に「対案を出さない」については、2017年11月~2020年6月の国会の間に128本の法律案を提出しているそうな。

どうも「政府の反対ばかりしている」「対案を出さない」というのは間違ったイメージと言えよう。では野党の役割とは何か?

それは与党が出してきた法案等を吟味し、おかしなところがあれば質問をし、反対したり修正を求めたりすること。

民主主義とは原則多数決。当然、多数派の与党が独裁的になったり暴走したりしないように監視するお目付け役。

また野党支持層というのは、少数派ではあるが、その少数派の意見を無視していいわけがない。実際のところ野党の役割と言うのは実に重要。選挙のとき野党に投票することは決して無駄ではないのだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

関連記事
関連タグ
政治新着記事