非武装中立して戦争をやめろという人たち
社会・2022-04-11 18:45ロシアがウクライナに求めるものに、武装解除と中立化がある。日本ではこれを【非武装中立】と呼び、戦後から長く議論の的となってきた。
現在でも「侵略され蹂躙されても戦争はするべきではない」と主張する人たちがいる。
ウクライナが侵略されている現在、この論を主張する人が出てきた。テレ朝系『モーニングショー』で玉川徹氏は「どこかでウクライナが退く以外に市民の死者が増えていくのは止められない」と語り、元大阪市長の橋下徹氏は「ウクライナ人はプーチンが死ぬまで国外退去して20年後に再建すればいい」とウクライナの抗戦を否定した。
鳥越俊太郎氏も「私はゼレンスキーに国会演説に反対する! どんなに美しい言葉を使っても所詮紛争の一方当事者だ」と、たとえ侵略されている被害者側でも、戦争の当事者は悪と決めつける。
これら「たとえ侵略され蹂躙されても戦争はするべきではない」という論は、戦後20世紀後半では、【進歩的知識人】と呼ばれる人たちが、マスコミで主張し、むしろ主流であった。またこの主張は、社会党や共産党などの左翼や【良識派と称する人々】の論でもあった。
1979年の『文藝春秋』で護憲派の経済学者、森嶋通夫氏は
「ソ連が攻めてきた時には自衛隊は毅然として、秩序整然と降伏するより他ない。徹底抗戦して玉砕して、その後に猛り狂うたソ連軍が殺到して惨澹たる戦後を迎えるより、秩序ある威厳に満ちた降伏をして、その代り政治的自決権を獲得する方が、ずっと賢明だと私は考える」
と、【秩序ある威厳に満ちた降伏】をすれば【政治的自決権(国民の政治経済、文化の自由)を獲得できる】と信じているようだ。ロシアのような侵略者はその政治的自決権を奪いに来ているのにだ。
このような人たちにとって、かつてロシアがウクライナ人の5人に1人を虐殺した歴史や、現在の中国でウイグル人がどんな目に合わされているなどは無視らしい。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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