ロシアの北海道侵攻はあり得るか?

社会・2022-05-04 18:15
ロシアの北海道侵攻はあり得るか?
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ソ連崩壊後ほとんど語られなくなったロシア軍の北海道侵略。しかしここに来てそういった話題も出てくるようになった。

まず、いまこの時点でその可能性は低い。いまは北海道どころではないからだ。しかし万が一のことも考えてみよう。4月1日にはロシアの政党「公正なロシア」の党首ミロノフ氏が「ロシアは北海道の権利を有している」と発言したことだし。

まずそうなれば、樺太から道北方面に上陸。同時に北方領土方面から上陸。ウラジオストクから札幌や小樽に上陸してくると考えるのが普通だろう。ちなみにウラジオストクの意味は「東方を支配せよ」である。ウラジオストクの東方はすなわち日本だ。

4月上旬のあるTV番組で池上彰氏が、ロシアの北海道侵攻について

「もし、北海道に攻めてくることがあったら、上陸するための数千人、数万人の兵士をロシアがどうやって北海道に運ぶんですか? と考えれば、そんな運ぶ船がないんです。だから、現実的にはそういう脅威はない。警戒はしなければいけないけど」

と語っていた。本当だろうか?

今年の3月にロシアの揚陸艦(兵士や戦車等の上陸運搬用軍艦)4隻が津軽海峡を通過したばかりだ。ロシア太平洋艦隊には第100揚陸艦旅団、北方艦隊には第121揚陸艦旅団があり、合わせて16隻の揚陸艦があると言われている。民間船も徴用すれば相当数の兵士や戦車を運ぶことができる。

つまり北海道侵攻は可能だ。

北海道は日本で数少ない戦車戦が考えられているところ。当然自衛隊は戦車による防衛戦の訓練をしている。しかし問題は市街戦だ。専守防衛の自衛隊に必要なのは、市街戦の訓練なのだが、現実はあまりなされていない。野戦訓練ばかりでは、北海道の市民を守るのは難しい。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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