ロシアの大苦戦このままでは敗北もあり得る

社会・2022-05-05 18:38
ロシアの大苦戦このままでは敗北もあり得る
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英軍の情報によると、ロシアの戦車は少なくとも530両、歩兵戦闘車が560台、ヘリと戦闘機は計60機以上を失ったという。ロシア軍の戦死者は1万5000人。

また、東部のハルキウ州のロシア軍全司令部が、ウクライナ軍の砲撃を受け、200人が死亡し、制服組トップのゲラシモフ参謀総長が狙われ負傷したという説もある。このときウクライナ軍の砲撃は、米国が新しく提供した多連装ロケット発射システム(MLRS)で、ロシア軍司令部を砲撃したようだ。

これまではジャベリンなどの対戦車ミサイルで攻撃していた。ジャベリンの射程は2500~4000mに対し、MLRSに標準で搭載されるロケット弾の射程は約30㎞。ATACMSと呼ばれる戦術地対地ミサイルを装備すれば最大射程は160㎞にまで延びる。つまり相手の射程外から攻撃できるため、ウクライナ軍が圧倒的に有利になる。

これまでNATO側はあまりロシアを追い詰めないよう、ジャベリン程度の支援にとどめていたが、長期戦も見据え、戦車や長距離砲なども支援しだした。ドイツやポーランドからは、旧式の戦車なども提供されている。

他にもSNSなどを利用した宣伝戦略はウクライナ側が圧勝だ。旧ソ連圏諸国ですら、ロシアの発表を真に受ける国はない。

一方ロシアは物資不足の深刻化、新式の武器はほぼほぼ使い果たしたらしい。半導体など電子機器が輸入できないので生産もできない。しかし旧ソ連時代の古い戦車などは残っているから、それらで攻め込むしかない。

またNATOからウクライナへの武器提供は無料だが、ロシアはそうではない。

いまロシアは薄い氷の上で戦争というダンスを踊っているのだ。ヘタをすれば敗北もあり得るだろう。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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