ロシアの苦戦で台湾有事が中止に?

社会・2022-04-14 16:01
ロシアの苦戦で台湾有事が中止に?
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習近平は「プーチンよ、お前なにやってんねん!」と、ご機嫌斜めに違いない。台湾の報道によると、習近平は「この秋までに計画していた台湾武力侵攻」を中止したというのだ。

もしこの報道が事実なら、中国が台湾に侵攻すれば、米軍基地がある沖縄は巻き込まれざるを得ないため、我々日本人は善戦しているウクライナ軍に感謝しなければならない。

この情報はFSB(ロシア連邦保安局)の機密文書だというが、中国共産党の党大会が今秋11月に予定されており、習近平にとって、総書記3期目の続投を決めることが最優先で、それまで無用のリスクは取らない可能性が高い。と、すれば3期目が決定してから、即侵攻という計画だったのだろうか? それともそれ以前に侵攻する計画だったのだろうか?

情報の真偽はともかく、中国が台湾侵攻をしたとき、もっとも恐れているのが、米国の武力介入だ。現在、ウクライナにおいて米国は武力介入をしていない。と、すれば、中国が台湾に侵攻した場合、同じように資金や武器の提供はしても、直接介入はしないと考えられる。もし台湾有事に直接介入をすれば、ウクライナとの差を非難される恐れがあるからだ。

しかしこの情報が本当だとしても、あまりにもバクチすぎる。現にウクライナは善戦し、ロシアは経済制裁を受けている。いま中国が台湾侵攻をすれば、中国に対しても経済制裁が発動される可能性は限りなく高い。そして東アジアとウクライナは事情が違うので、米軍の武力介入の可能性も高い。

また、米国は3月にポンぺオ前国務長官を台湾に派遣、近日中に大統領職継承順位2位のペロシ下院議長も台湾訪問を調整中だ。これは、台湾国民と習近平に「決して台湾を軽視してないぞ」というメッセージであろう。

とすると、中国が秋までに台湾武力侵攻を計画していたとしても、実行の可能性は低いと考えるのが妥当であろう。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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