河野・石破連合は安部・麻生に勝てるか？

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自民党総裁選出馬について最後まで白紙であった石破茂氏が、ついに不出馬を決め、しかも河野太郎氏を支持すると発表した。

先日、小泉純一郎環境相、井上信治科学技術相、棚橋秦文国家公安委員長、細田派・麻生派・石破派などが参加する政策勉強会「火曜会」の19人も河野太郎氏を支持すると表明。いまのところ、河野氏、岸田文雄氏、高市早苗氏の3候補の中で、河野氏が大きくリードしたかに見える。

ざっくりいうと、菅総理、小泉環境相と若手議員が河野太郎氏推し。
安倍前総理が高市早苗氏推し。
麻生太郎財務相が岸田文雄氏推しといった感じだ。

最大派閥細田派は、高市氏と岸田氏を支持するとのことだが、河野氏を支持したいという若手もおり、事実上は、細田派として一本化ではなく、議員の自主投票に任せるということだ。

他の派閥も、派閥の決定よりも個人の意思の支持で総裁選に臨むという空気になっている。これだけ派閥の力が弱くなった自民党総裁選は歴史上はじめてかもしれない。

とはいえ、派閥の重鎮たちの力は強い。重鎮の一人、二階幹事長にしてみれば「二階外し」を明言した岸田氏は許せないであろう。菅首相にしても、本来なら無投票で続投できるはずが、岸田氏が立候補したおかげで、首相の座を追われることになった。よって岸田氏には勝たせたくない。岸田氏は、重鎮である菅・二階氏を敵に回してしまったという状況だ。

さて、このたび石破茂氏が出馬をやめ、河野氏を支持することになった。河野・石破連合結成である。

安部・麻生両氏は、以前より河野氏が嫌いである。麻生派である河野氏が、石破氏の支持を受けるということも、心中穏やかではあるまい。岸田氏が菅・二階氏を敵に回したように、河野氏は、安倍・麻生氏を敵にしてしまっているといっていい。

両陣の戦いはこれからどうなるか？　ただ政界は妖怪ランド。1週間後は事情がまったく変わっているかもしれない。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008～2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。