徳川将軍の平均寿命は? 昔と比べて日本人はどれくらい長生きになった?

社会・2020-10-29 10:48
徳川将軍の平均寿命は? 昔と比べて日本人はどれくらい長生きになった?
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現在日本人の平均寿命は、平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳で過去最高であるそうな。

さて、江戸時代の平均寿命は、庶民の記録が正確に残っているわけではないので推測するしかないが、正確な記録が残っている数少ない職業がある。

それは日本を270年間支配した将軍職。15代続いた将軍の平均寿命は51.5歳。

それにしても、西欧の王家に比べると質素とはいえ、おそらく日本でもっともいい食事をし、最高の医療を受け、毎日健康診断までしていたにしては、あまりに短命である。庶民はもっと短かったことであろう。

庶民の正確な平均寿命がわかりだすのは明治大正時代。男性の平均寿命は43才前後、女性で45歳前後。明治大正時代の庶民の暮らしは、江戸時代とそれほど大きく変わらないので、大差はないであろうと推測できる。

ちなみに男性の平均寿命が約43歳であった明治大正時代に大企業では定年制がはじまっているが、定年は55歳であった。明治大正の人は死ぬまで働いていたのである。

日本人の平均寿命が50歳を越えるのは戦争が終わってからで昭和22年(1947)、男性50.06歳、女性53.96歳。戦時中の厚生年金は55歳から支給開始。

昭和36年(1961)は、男性66.03歳、女性70.79歳。この年から国民皆年金制度の施行。支給開始年齢は65歳である。

これまでで言えることは、国家というものは、死ぬ年齢にならないと年金を払ってくれなかったということだ。しかしその後、日本人の平均寿命は順調に伸びて行き、世界一となる。

平均寿命が45歳であった大正時代から100年、日本人の寿命は倍近く伸びたことになる。もしかしたら、高度な医療や豊かな食事がなければ、人間本来の寿命というものは、50歳戦後であるのかもしれない。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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