山本太郎議員辞職は狡猾だが他党がまねをしたら

政治・2022-04-16 16:39
山本太郎議員辞職は狡猾だが他党がまねをしたら
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狡猾とはこういうことをいうのだろう。衆議院議員の山本太郎氏が辞職し、参院選に出るという。「れいわ新選組」の衆議院議員は山本氏を含めて3人。山本氏が辞職しても、比例2位の櫛淵万里氏が繰り上げとなり、れいわの議員数は減らない。

そして有名人で元タレントの山本太郎氏が参院選で当選する確率は高いだろうし、また本人も自信があっての辞職であろう。ただし、山本氏が衆議院議員に当選して半年しかたっていない。つまり山本氏は衆議院でまだ大して働いていないのに、れいわ新選組の議員を増やすために辞職というのは、果たしていかがなものであろうか?

山本氏は比例東京ブロックで当選したわけで、本人の弁によると「選挙区なら許されないが、比例だから選挙民を裏切ったことにはならない。なぜなら投票用紙には「れいわ」と書いていただいたわけで「山本太郎」と書いたわけではないから」というのだが、東京の比例区で投票した有権者は衆議院での山本氏の活躍に期待して一票を投じた人も多いはず。

ルール上はOKだが投票した有権者軽視とも思え、とにかく政党拡大のためなら、反則ギリギリも辞さないやり方を、有権者はどう見たのだろうか?

しかしある意味、うまい方法ではある。もし仮に、衆院では与党がかなりの多数だが、参院ではわずかに与党が少数のねじれ国会の場合、このやり方をまねて、与党の人気議員を衆院は辞職させて参院に送り込むことで、ねじれ国会を解決するという方法がある。

あるいは単純に政党拡大のために、人気があり落ちる心配のない衆議院議員を辞職させて、参院で当選させるという方法があるということだ。

もし他の党がそんなことをすると姑息といわれ「有権者をバカにするな」と怒りを買うことになるだろう。はたしてれいわ新選組の支持者はどうなのだろう? 結果は参院選を待つしかない。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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