日本人の3人に1人が日本語を正しく理解できない

社会・2020-10-17 12:10
日本人の3人に1人が日本語を正しく理解できない
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国際成人力調査(PIAAC:ピアック)というものがあり、これは24カ国・地域において約15万7000人の16歳から65歳を対象として、読解力、数的思考力、ITを活用した問題解決能力を測定調査したもの。

その調査で喜ぶべきなのは、読解力と数的思考力の2部門で日本が堂々の第1位だったこと…… なのだが、詳細を調べてみると、ちょっとレベルが高い文章となると、日本人の3人に1人は正しく理解できないということが、わかってしまったのだ。

他にも国立情報学研究所を中心とした研究チームが、基礎的読解力を測定するため2016年に開発した『リーディングスキルテスト』のテストにおいても、現在の中高生の3人に1人が正しく教科書を読めないという結果と一致している。

この結果は実に恐ろしいことを表している。現在、ほとんどの日本人は日本語の文章を読むことができる。しかし3人に1人は正しく理解できない。文章とは言語を記号化したものであるから、日本人の3人に1人はしゃべっていることを、正しく理解できないということでもある。

つまりあなたが語った言葉を3人に1人は誤解しているかも知れないということでもあるのだ。

個人的な会話なら多少の誤解はいいかも知れない。日々流される政治家の言葉や文章が理解できない。あるいは、わかりやすいスローガンのような言葉を鵜呑みにしてしまうことになる。

また、あなたの近くに上司や取引先の言葉や文章を間違って理解したりする人がいないだろうか? その人をただしたところで無駄かも知れない。そのただした言葉さえ、誤解されているかも知れないのだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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