この物価高に消費増税 江戸時代の改革失敗に学べない政府

社会・2022-11-01 19:29
この物価高に消費増税 江戸時代の改革失敗に学べない政府
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この9月あたりから物価高が皮膚感覚で感じるようになった。そして11月1日から「800品目」以上もの値上げとなる。

そんな中、政府税制調査会が「消費増税を10%にしたままでは財政が持たない」とか「消費増税の議論が必要」と言い出した。

消費税は1989年に3%
1997年に5%
2014年に8%
2019年に10%と、まさに着々と引き上げられてきた。それで税収が上ったかと言うと、最初の3%の後バブル崩壊、バブル崩壊から立ち直りかけていたときに5%にすると税収がダウン、アベノミクスが今一つ成功と言い切れないのも、8%と10%の消費増税で思いっきりブレーキをかけてしまったからだ。

もちろん税収のダウンは消費税だけではないが大きな原因の一つである。バカなのか政府税制調査会!

なぜ消費税をアップすると税収が減るのか? 簡単にいうと国民が消費を控えるからだ。

江戸時代に似たようなことをした将軍がいた。「暴れん坊将軍」として有名な徳川吉宗である。

吉宗の時代、金山銀山の産出量が減り、幕府の収入が減り、さらに明暦の大火(1657)で支出が増えた。

農業が発展し、米価安になり貨幣収入が減ったなどで、吉宗は財政再建をやることになる。「享保の改革」である。

目的は幕府の支出をおさえて収入を増やすこと。

で、やったのが「倹約令」と「年貢の引き上げ」だ。倹約は個人の家庭などでは効果があるが、それを国家がやると消費の冷え込みになることは誰にでもわかる。

それに増税が重なると庶民の暮らしは苦しく成るばかりだ。結果、一揆や打ちこわしが増え失敗に終わっている。

江戸時代には「享保の改革」以外に、「寛政の改革」「天保の改革」がある。江戸時代の経済は「米本位制」であり、武士の給料は米。これをお金に両替して暮らしている。
ところが、農民ががんばって生産量をあげ、米が増産すると米の価値が下がる。
下がるから、もっとがんばって生産量を上げる。
米の価値はまた下がる。
武士の給料は米だから当然武士の給料も実質下がる。
また武士の給料は石高制で、給料は基本上がらないから、物価が上がればどんどん貧しくなる。

吉宗は、元禄文化が花開いていたのを「享保の改革」でぶっつぶした。

「寛政の改革」をやったのは老中松平定信だが、その前の田沼意次が自由な商業主義、積極経済政策を行い大いに栄えた。

その直後、徳川吉宗の孫で老中松平定信が「寛政の改革」を行い、質素倹約を徹底させ景気を後退させた。

その失敗に学べないのが日本政府、特に財務省だ。いまコロナ禍から回復しようとしているときに、また消費増税でブレーキをかけるつもりなのか?

消費税が必要だとしてもなぜこのタイミングなのか。岸田首相は昨年の総裁選で「今後10年程度は消費税をあげない」と語って総理大臣になったはずだ。

不景気のときは不景気をいかに止めるかとか、むしろ減税の議論をしてもらいたいものである。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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