中国はロシアを見放すのか? それとも?
社会・2022-03-14 21:28中国は世界1位の天然ガスや石油輸入国であり、石油の7割を輸入に頼っている国だ。原油輸入首位はロシアとサウジアラビアである。
ロシアから中国への原油供給は約15%。19年にはロシアのバイカル湖近くから、天然ガスを中国に運ぶパイプラインが開通しており、エネルギーでの戦略的な関係を築きつつ、中国とロシアは軍事面にまで連携を拡大し、経済や軍事問題において共同で、欧米に対抗するはずであった。
そしていま、世界から孤立しているロシアの最大の後ろ盾になるのが中国だ。
米メディアによると、ロシアは軍事装備品や経済支援を中国に要請しているという。その中国は、ロシア・ウクライナ戦争を静かに見守っている状況にあり、中国がロシアからの要請に答えたかどうかは、いまのところ不明だ。
中国はロシアとウクライナの停戦調停には支持をしているものの、経済制裁に反対をしている。中国は、ロシアの立場を擁護するというのが基本スタンスなのだが、ウクライナに支援物資を送ったり、ロシアの航空機の部品供給を中国が拒否するなど、やや態度に変化が出てきたようだ。
その理由として、国際社会のロシア批判が中国の予想以上に強くなってしまったことにある。
わずか一カ月ほど前の2月4日、プーチンと習近平は北京で会談。どうやらこのとき、プーチンはウクライナ侵攻について、ちゃんと伝えていなかったらしく、侵攻がはじまったとき、在ウクライナ中国人の避難が遅れてしまったことがある。中国はロシアをあまり信用しなくなっているのかもしれない。
ロシアを見放すとまではいかないまでも、中国は原油や天然ガスは欲しいが、積極的に助けようとしていないように見える。
もし中国が積極的にロシアの救済に動かなければ、ロシアは沈んでいく。おそらく中国は台湾侵攻へのモデルケースとしてウクライナ戦争を見つめているのだろう。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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