人類は一夫一婦? 一夫多妻? 同性婚は?
エンタメ・2022-04-22 10:18現在、男性の生涯未婚率が4分の1を超え女性は2割近くになり、離婚率は3組に1組と、近年結婚の様相が変わってきているようだ。
元々人類の夫婦というものは一夫一婦制ではなかったらしい。カナダ・ウオータール大学のバウフ教授によると、小集団で移動生活をする狩猟採集時代の人類は乱婚型であり、農耕をはじめて大集団の定住生活をするようになったとき、性病が流行するようになり、一夫一婦制の方が子どもを次世代に残しやすくなり、一夫一婦制になっていったという。
また、多くの人類社会において、表向きは一夫一婦制で、実質は一夫多妻制がとられてきた。日本でも富のある男が、正妻と妾がいることは社会に認められていた。ただし一夫多妻制は、男性にとって複数の女性を経済的、心理的、肉体的にも満足させねばならず、かなりキツいものらしい。そもそも男があぶれるし。
また、環境が厳しい社会では一妻多夫制の社会も存在する。これは遺伝子を残すのに一人の妻を複数の夫が支えたほうが有利という判断らしい。またアラスカのイヌイットは、夫婦交換(共同婚)をすることで、血族を増やし生存率を高める戦略をとる社会もある。
では遺伝子を残すことにあまり関係なさそうな同性婚はどうだろう? 自然界の同性愛は1500種で観察されており珍しいものではない。ニホンザルはメス同士、ゴリラはオス同士、ボノボはオスメス関係なく同性愛行動を行う。キリン、ウシ、ゾウでもこれらの行為が観られるという。
同性カップルは古代から記録にあり、同性婚は表向き君臣関係や友人関係などに姿を変えて存在していた社会が多い。生物は遺伝子を残すために進化していくので、もし生き残りに不利ならば同性愛は存在しないはずで、動物界に存在しているということは必要があるからだろう。
どうやら人類の結婚制度というものは、その時代や環境に適応するために、変化していくものらしい。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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