『ちむどんどん』沖縄料理と寿命の関係

エンタメ・2022-04-14 18:46
『ちむどんどん』沖縄料理と寿命の関係
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NHKの朝ドラ『ちむどんどん』がはじまった。沖縄に住む美味しいもの大好き女性の物語らしい。

沖縄は元々琉球という独立国であり、沖縄の食文化は、清と日本の食文化の影響を受け、戦後は米国の食文化の影響を受けた独特のものがたくさんある。

その沖縄の食文化が、県民の寿命に強い影響を与えているという。

沖縄県の平均寿命は1975~2005年まで女性は全国1位。男性も80~85年には1位と日本トップの長寿県であった。ところが00年に26位に急落、現在は36位と短命県になってしまった。

その理由は、伝統的な琉球料理を食べなくなり、米国の影響を強く受けた料理を多く食べるようになったからだという。

伝統的な料理は、ビタミンB群や豊富なたんぱく質が含まれる豚肉を、耳や足など丸々一頭食べたり、チャンプルー料理のようにいろいろな食材をバランスよく混ぜたものや、昆布など海藻類を使った料理があり、塩分も適塩の健康食。(日本食は逆に、塩分過多、ビタミンB群とタンパク質の不足が指摘されている)

昆布といえば、沖縄は昆布が採れない地域なのだが、江戸時代に蝦夷地(北海道)から運んできた昆布を大量に消費していた。

この昆布の消費量と沖縄の平均寿命とは相関性があって、男性の平均寿命が1位だった80~85年は昆布の消費量も日本一。しかし昆布の消費量が落ちるのと一緒に平均寿命ランキングも落ちていったのだ。

これは米国食文化の影響が強くなり、昆布などを使った伝統料理を食べなくなったためだという。

その結果、沖縄県民の肥満が増え、肥満が原因の糖尿病や心疾患、飲酒に起因する肝疾患と腎不全、大腸癌で亡くなる人が全国平均の2〜12倍にもなるそうな。

そうとわかれば、沖縄県以外の人も健康にいい沖縄伝統料理をもっと食べたいもの。朝ドラ『ちむどんどん』でも、いろいろな沖縄の料理を紹介してほしいですね。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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