一生結婚する気がない人増加で少子化対策は無意味

社会・2023-01-23 20:00
一生結婚する気がない人増加で少子化対策は無意味
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岸田内閣は「異次元の少子化対策」を打ち出して、何とか国民に子どもを産んでもらおうとしているらしい。
しかし現実的には、ムリだろう。

少子化は、「合計特殊出生率が約2.1を下回る状態」と定義されているが、OECD(経済協力開発機構)加盟38カ国のうち、出生率2.1を上回っている国はイスラエルのみだ。
つまり先進国、ある程度豊かになった国の人たちは、子作りよりも自分の人生を謳歌したくなるものらしい。

高度成長期の60年代の生涯未婚率は1~2%程度、それがいまや男性は25.1%、女性は16.4%と年々増えている。

2022年に国立社会保障・人口問題研究所が発表した「第16回出生動向調査」によると、「一生結婚するつもりはない」と答えた男女は
・男性17.3%(前回比5.3ポイント増)
・女性は14.6%(同6.6ポイント増)

と過去最高を記録しているのだ。つまり6~7人に1人が結婚する気がないと答えている。

・異性の交際相手がまったくいない人は未婚男性7割、女性6割。
・「とくに異性との交際を望んでいない」未婚男女は3割代。
・恋人として異性と交際した経験がない未婚男性で4割、女性で約3割。
・性交体験なしは30歳代未婚男性で36.4%、30歳代女性で44.4%。

25~34歳の独身でいる理由は「適当な相手にまだめぐり合わないから」というものがもっとも多く、次いで「独身の自由さや気楽さを失いたくないから」と続く。その次は「結婚する必要性をまだ感じないから」だ。

「適当な相手にまだめぐり合わないから」についていうと、情報過多の現代、容姿・経済力・環境など、相手に求める理想が高くなり、自分の周囲にいる独身男女が【適当な相手】に見えなくなっているのかもしれない。

生涯未婚率が男女とも1~2%だった1940年あたりだと、結婚の7割がお見合いであり、当時の人は多少の妥協を当たり前であっただろう。

それがいまや90%近くが恋愛結婚となっている。恋愛結婚は言ってみれば「恋愛自由競争主義」で、どうしてもこぼれる人が多くなる。
情報過多で理想が高くなれば、相手から告白されても断ることも多くなるだろう。
それ以前に告白することも少なくなる。

交際したとしても、結婚し子どもを作るとなると、経済的負担と同時に【自由】が大幅に束縛される。
政府が、異次元な対策なるものを行ったとしても、少子化を防ぐには現状維持でも2人。
人口を増やすとしたら2人以上の子どもを作らなければならない。

豊かな先進国では、恋愛経験はバーチャルで十分、性体験ですら自慰行為やで十分という人が増えているのではないだろうか。

一昔前なら男性が料理や洗濯など家事を女性に任せるためという理屈も、いまは家電の発達で独身でも不自由しない。

とすれば、政府がいかに結婚や子育てを援助したとしても、少子化を防ぐことは不可能だ。
政府は少子化を踏まえて、これからの日本がいかに豊かになるのかを模索したほうがいい。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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