岸田文雄は自民党総裁になれるか?

政治・2021-08-30 19:05
岸田文雄は自民党総裁になれるか?
閉じる

いま現在、9月29日に行われる自民党総裁選に立候補しているのは、菅首相と岸田文雄前政調会長の二人だ。下村政調会長は立候補を断念。高市早苗前総務相は立候補の意欲は示しているが、まだどうなるかわからない。ただし高市前総務相が立候補しても、現実的には菅VS岸田の対決になるというのが、大方の見方。

菅氏の支援を表明しているのが、二階幹事長、安倍前総理、麻生財務相。それぞれの派閥人数を合わせると、196人と自民党国会議員383人の過半数を超える。

対して岸田派は46人。単純な数の論理だけでいうと岸田氏に勝ち目はない

今回、自民党国会議員の383票と党員票383票で総裁選が行われる。問題は次の衆院選が危うい若手や中堅議員たちと、地方の党員たちが菅政権、特にドンとして権勢をふるっている二階氏にウンザリしているという。

岸田氏が勝つとしたら、いかにそういった若手中堅議員や党員票を集めるかにかかっている。

なんといっても現在の菅・二階体制のままだと、50~70議席は減るだろうと予測されているというのだから、選挙基盤の弱い若手中堅議員らは気が気ではない。今年に入って行われた補欠選挙、再選挙、千葉県知事選、静岡県知事選、横浜市長選など、主だった選挙に負け続けているのが、現在自民党「選挙の顔」である菅首相なのだ。前回の安部人気にあやかって当選した若手は、はぼ全敗必至である。

この状況は全国の党員たちも見過ごせないはずだ。2018年の総裁選では、当時の安倍首相に石破茂元幹事長が挑戦した。議員票では安部氏の圧勝であったが、党員票では55%対45%とほぼ互角であったのだ。党員たちは国会議員以上に、世間の空気に敏感であり、派閥の論理は通用しない。

現在、菅氏圧勝というのが、政治通の見立てだが、若手中堅議員票と党員票が、岸田氏に集まれば、首相交代もあり得ない話ではないだろう。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

関連記事
関連タグ
政治新着記事