自分が損をしても他人を貶めたい人

エンタメ・2020-10-26 13:02
自分が損をしても他人を貶めたい人
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有名な民族ジョークに、沈没しかけた船に乗り合わせるいろいろな国の人たちに、海に飛び込むよう船長が説得を行うというものがある。

アメリカ人には「飛び込めばあなたは英雄になれますよ」
イギリス人には「飛び込めばあなたは紳士になれますよ」
ドイツ人には「飛び込むのがルールですよ」
イタリア人には「飛び込めばモテモテですよ」
日本人には「皆さん飛び込んでいますよ」

こう言われるほど日本人は集団行動が好きらしい。いい言い方をすると協調性が高い。悪く言うと同調圧力が強い。新しい病気が流行すると、ルールを守って営業しているお店でも「この事態でまだ自粛してないのか、警察呼ぶぞ」などと言う人がわらわらと出てくる始末。

どうもこういう自粛警察というか自粛暴力団的な人は、海外ではあまり見られず日本では突出しているらしい。

確かに「自分が我慢(損)をしているだから、お前も我慢(損)をしろ!」的な思考の人は結構多い。それどころか「自分が損をしてでも他人を貶めたい」という人もときどきいる。

どういう人かをジョークでいうと

神様「隣人と仲良くせよ、仲良くしたらお前に5千万円あげよう」
男「隣人はどうなります?」
神様「隣人には1億円だ」
男「仲良くしないとどうなりますか?」
神様「お前の片目を潰す」
男「隣人は?」
神様「両目を潰す」
男「じゃあわたしの片目を潰してください」

ジョークだから極端だが、実際にこういう言動をする人がいるのだ。こういう言動を経済学では「スパイト(いじわる)行動」という。このスパイト行動も海外の人に比べて日本人に多いことがいろいろな実験でわかっている。

コロナ禍で大変なとき、みんなが助け合うのは当然だが、助け合いのつもりでスパイト行動をしていないだろうか? 多くの人に考えてもらいたい問題である。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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